日経メディカルのロゴ画像

NEJM誌から
おたふくかぜ、ワクチン2回接種でも青年期の発症防げず
2006年に米国で起こったアウトブレイクの調査結果

 流行性耳下腺炎ムンプスおたふくかぜ)に対するワクチンの2回接種率が高い米国で、2006年、18~24歳の大学生を中心とするアウトブレイクが発生した。疫学的な調査の結果、現行の2回接種では予防効果は十分でないことが示された。米国疾病管理センター(CDC)国立予防接種・呼吸器疾患センター(NCIRD)のGustavo H. Dayan氏らの報告で、詳細はNEJM誌2008年4月10日号に掲載された。

 米国では1967年に流行性耳下腺炎ワクチンが導入され、1977年には小児に対する1回接種が始まり、発症者数は大きく減少、1985年の患者数はワクチン導入前の2%になった。しかし1980年代の終わりに、ワクチン未接種者のみならず接種を受けた若者も含めた大流行が発生したため、2回接種が広く行われるようになった。その結果、1990年以降、発症者はさらに減少し、年間350人未満となって2010年の根絶が目標として掲げられた。

 ところが2006年、過去20年間で最大という規模のアウトブレイクが突如発生した。 翌2007年1月1日から6月30日には359人が発症したが、アウトブレイクはなかった。

 著者らは、2006年の流行に対する疫学的な研究を行い、現在の予防接種戦略でこの病気の撲滅が可能かどうか考察した。

 2006年にNNDSS(National Notifiable Disease Surveillance System:国立届け出疾患サーベイランスシステム)に報告された発症者のデータと、患者が特に多かった州の個々の症例に関する詳細な情報、1980~2006年の予防接種率などについて調べた。

 経時的変化を調べるために、罹患再増加前(2000~2005年)、再増加時(2006年)、再増加後(2007年1月1日から6月30日)のデータも収集した。 

この記事を読んでいる人におすすめ