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NEJM誌から
ACE阻害薬とARBの心血管イベント抑制効果に差なし
ONTARGET試験の結果より

 心血管リスクの高い患者(心不全既往者は除く)に対するアンジオテンシン変換酵素阻害薬ACE阻害薬ラミプリルアンジオテンシンII受容体拮抗薬ARBテルミサルタンの心血管イベント抑制効果を調べた大規模臨床試験ONTARGETの結果が、NEJM誌電子版に2008年3月31日に掲載された。

 著者のカナダMcMaster大学のSalim Yusuf氏らは、「2剤の有効性には差はなく、治療中止はテルミサルタンで有意に少なかったことから、個々の患者に現れる有害事象や忍容性に合わせていずれかを選択できる」と述べている。

 この試験では、ラミプリルとテルミサルタンの2剤併用の効果も評価されたが、ラミプリル単剤の場合に比べ平均血圧の降下は大きかったものの有効性に有意差はなく、有害事象は有意に増加することが明らかになった。

 ACE阻害薬は、心血管疾患患者と心血管リスクが高い糖尿病患者の死亡、心筋梗塞、脳卒中、心不全、血行再建術を減らす一方で、血管浮腫と咳の頻度を増やす。そのためACE阻害薬に対する忍容性が低い心不全患者にARBを投与し、プラセボと比較した研究では、心不全による入院または死亡が有意に減少すると報告されている。しかし、それ以外のハイリスク集団に対するARBの有用性は明らかではなく、2剤を直接比較した大規模研究、2剤併用の効果を調べた研究はこれまでなかった。

 著者らは、ACE阻害薬ラミプリルの有効性を示したHOPE試験と同様の被験者を対象として、ラミプリルに対するテルミサルタンの非劣性の証明を試みた。同時に、2剤を併用すればラミプリル単剤を上回る効果が得られるかどうかを調べる研究も実施した。

 40カ国733施設で、心不全ではない血管疾患(冠疾患、末梢血管疾患、脳血管疾患)または臓器障害のある糖尿病の患者3万1546例を登録した。単盲検試験の導入期間3週間に、全患者にラミプリルとテルミサルタンをそれぞれ単剤で投与、その後併用も行い、2万9019人中3399人(11.7%)をこの間に除外した。除外の理由は、服薬を遵守しなかった患者が最も多かった。

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