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パクリタキセル塗布バルーンは下肢動脈の血管形成術で有用
遠隔期内径損失と再狭窄率が有意に低下

 経皮的血管形成術を用いた浅大腿動脈の血行再建の成功率は、当初は95%を超えるが、術後6~12カ月の再狭窄率は、冠動脈、腎動脈の場合に比べかなり高い。ドイツEberhard-Karls大学のGunnar Tepe氏らは、小規模無作為化試験を行い、パクリタキセル塗布バルーンを用いると、術後6カ月時の遠隔期内径損失と再狭窄率が有意に低下することを明らかにした。詳細は、NEJM誌2008年2月14日号に報告された。

 冠動脈の病変では、バルーン血管形成術よりステント留置術のほうが、再狭窄予防においては有効だが、下肢血管へのステント留置の効果は確認されていない。また、著者らは先に、シロリムス塗布ステントを浅大腿動脈の病変に用いる臨床試験を行ったが、薬剤を塗布していないステントに優る効果は示せなかった。

 より良い方法を捜していた著者らは、冠動脈ステント内再狭窄の治療にパクリタキセル塗布バルーンカテーテルを用いると、その後の再狭窄発生が有意に減少する、また、パクリタキセルを溶かし込んだ血管造影剤を冠動脈血管造影に用いたフェーズI試験で安全性が示された、という報告を受け、これらを下肢動脈の病変に適用する研究を行うことにした。

 小規模多施設試験は、症候性の末梢動脈疾患で、大腿動脈または膝窩動脈、もしくはこれら両方に、病変(狭窄が血管径の70%以上、長さは2cm以上)が1カ所以上存在する患者154人を登録。病変が複数存在する場合も、介入は1カ所のみに対して行った。

 患者を、標準的なバルーンカテーテルにパクリタキセルを塗布(1mm2当たり3μg)したものと通常の血管造影剤を使用(48人)、塗布なしのバルーンとパクリタキセルを含む造影剤を使用(52人)、パクリタキセルなしの通常治療(対照群、54人)に無作為に割り付けた。

 主要エンドポイントは6カ月の時点の遠隔期内径損失(late lumen loss)。2次エンドポイントは、6カ月時の再狭窄発生率(参照血管に比べ50%以上の狭窄の発生率)、Rutherford重症度分類のステージ(0度が正常、6度が最も重症)の変化、標的血管に対する血行再建術の施行などに設定。分析はintention-to-treatで行った。

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