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PCI時の血栓吸入は予後の向上をもたらす
冠微小循環傷害を抑制

 ST上昇心筋梗塞患者に対する経皮的冠動脈インターベンションPCI)時の血栓吸入は、術後の再還流レベルと臨床転帰の向上をもたらすことが示された。オランダGroningen大学のTone Svilaas氏らの報告で、詳細はNEJM誌2008年2月7日号に掲載された。

 血栓溶解薬を投与せずにPCIを行うプライマリPCIは、ST上昇心筋梗塞患者に対する血行再建において有効だ。しかし、アテロームプラークまたは血栓の破片が梗塞責任動脈の下流で狭窄や閉塞を起こすと、微小血管閉塞が発生して心筋の再還流レベルが低下する。

 著者らは、血栓を手作業で吸引した場合の利益を評価する前向き無作為化試験を行った。同大学病院を2005年1月から2006年12月までの間に受診したST上昇心筋梗塞可能性例の中から、急性心筋梗塞を示唆する症状が30分以上継続しており、発症から12時間未満で、0.1mV超のST上昇を示す患者を登録した。
 
診断のための血管造影に先駆けて、1071人の患者を、PCI中に血栓吸引を実施(535人)または通常のPCI(536人)に無作為に割り付けた。その後の血管造影の結果に基づいて、両群共に33人ずつがPCIを受けなかった。

 血栓吸引群では、最初にガイドワイヤーを入れ、次に閉塞部に向けて血栓吸引カテーテルを吸引しながら挿入した。吸引に起因すると考えられる術中合併症や、術中の死亡、脳卒中は見られなかった。

 血栓吸引群では、吸引と直接ステント留置が行われた患者が295人(55.1%)、吸引とバルーンを用いたステント留置を受けた患者が153人(28.6%)、標的動脈が細すぎる、曲がりくねっているなどの理由から術者が吸引を断念、通常のPCIに変更された患者が54人(10.1%)いた。一方、通常群でも6人(1.2%)が血栓吸引を受けていた。

 追跡は、割り付けから30日まで継続し、分析はintention-to-treatで行った。

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