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FIFAワールドカップ期間中は心血管イベントが2倍以上に
ドイツ・ミュンヘン圏の地域住民を対象とした研究

 ドイツで開催されたFIFAワールドカップ2006は、情動的ストレスと心血管イベントの関係を調べる良い機会を与えた。ドイツのバイエルン地方の救急サービス部門の医師らが、ミュンヘン圏の地域住民を対象に、ワールドカップ期間と通常期の心血管イベント発生率を比較、さらにドイツチームの試合があった日となかった日で比較したところ、自国チームのエキサイティングな試合がある日ほど心血管イベントが増えることが示唆されたという。ドイツMunchen大学のUte Wilbert-Lampen氏らの報告で、詳細はNEJM誌2008年1月31日号に掲載された。

 対象となったのは、救急部門での診断が、ST上昇心筋梗塞、非ST上昇心筋梗塞または不安定狭心症、症候性の心不整脈、心肺蘇生が必要となった心停止、埋め込み型除細動器の治療的摘出とされた患者4279人。すべての患者が入院していた。

 救急要請の記録から、年齢と性別、救急要請日時、発症日時、イベント発生場所、当初の患者の状態(血圧、心拍数、簡単な医療歴、心電図)、診断に関する情報を得た。

 2006年6月9日から7月9日まで開催されたFIFAワールドカップ期間中、ドイツチームの試合があったのは7日。ドイツ以外のチームの試合は24日間行われた。対照期間は、大きなサッカーイベントがなかった2006年5月1日から6月8日、2006年7月10日から7月31日、2003年と2005年の5月1日から7月31日とした。

 ドイツチームの試合日7日間のうち6日で、1日当たりの心血管イベント発生件数が対照期間より有意に多かった。試合ごとにイベント増加の状況を見ると、より劇的な試合展開があった日、ドイツが負けた日のイベント発生者は特に多かった。3位決定戦の日には有意なイベント増加は見られなかった。

 なお、イタリア対フランスの優勝決定戦があった日には、中度のイベント増加が認められた。

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