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世界初の顔面移植から18カ月、「メークをすれば街を歩くこともできる」
患者は機能的にも外見的にも満足できる状態に

 脳死女性から顔面部分移植を受けた女性の18カ月間の経過が明らかになった。「メークをすれば街を歩くこともできる」と、患者は満足しているという。フランスLyon 第1大学のJean-Michel Dubernard氏らは、詳細をNEJM誌2007年12月13日号に報告した。

 患者は、2005年5月28日に犬に顔をひどく噛まれ、鼻と上下の唇、顎全体と近接する頬を失った38歳の女性。通常の再建法では対処できないと判断され、血液型とHLA 5座が一致した46歳の脳死女性の顔面を移植する手術が2007年11月27日に行われた(手術の概要についてはこちらを参照)。

 免疫抑制には、術後10日間のサイモグロブリン(米Genzyme社のウサギ由来抗胸腺細胞グロブリン)静注と、タクロリムスミコフェノール酸モフェティルプレドニゾンが用いられた。

 術前にドナーの腸骨稜から骨髄液を1724mL採取し保存。マイアミプロトコルに基づいて、2等分したドナーの骨髄細胞を術後4日目と11日目に注入。これにより免疫寛容が誘導できるかどうかは明らかではないが、これまでに様々な臓器の移植においてこの方法が有効と報告されている。

 一連の生検標本を皮膚移植片(拒絶反応を監視するために乳房下部にも小片を移植)、顔面皮膚、口腔粘膜から採取。移植片を傷つけることを避けるため、それ自体からの採取は極力減らし、拒絶反応の評価時のみにとどめた。機能的な回復は、感覚機能と運動機能を毎月検査して評価した。

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