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Lancet誌から
LDL高値は70~100歳の高齢者でもハイリスク
デンマークの1次予防コホート研究で心筋梗塞やアテローム硬化性疾患が増加

 デンマークAarhus大学のMartin Bodtker Mortensen氏らは、年齢20~100歳のコペンハーゲン在住の一般市民が参加したCopenhagen General Population Study(CGPS)のデータを利用して、21世紀の同国の住民を対象にLDLコレステロール(LDL-c)と心筋梗塞やアテローム硬化性心疾患との関係を調べたところ、過去の研究とは異なり、70~100歳の高齢者でもLDL-cが高い人の方が発症リスクが高かったと報告した。しかも、脂質降下療法の治療必要数は、高齢者ほど少なかったという。結果は、2020年11月10日にLancet誌電子版に掲載された。

 過去の研究で、70歳以上の高齢者の場合はLDL-cが高くても、心筋梗塞やアテローム硬化性心血管疾患のリスクは上昇しないという結果が知られている。しかし、これらの研究は、40~50年前に実施されたものが多い。その後に脂質異常症の予防法や治療法は大きく変化し、高齢者の余命も伸びたため、過去の研究データは必ずしも最近の高齢者に当てはまらない可能性がある。そこで著者らは、CGPSに参加した20~100歳の市民を対象にLDL-c値と心筋梗塞、アテローム硬化性心血管疾患の関係を検討することにした。

 CGPSでは、デンマーク国民の年代別人口比率に合わせて参加者を選び、コペンハーゲン在住の一般市民からランダムに選んで招待している。参加者登録は2003~15年に実施した。年齢は20歳から100歳までの範囲で、ベースラインでアテローム硬化性心血管疾患や糖尿病がなく、スタチンを使用していなかった人の中から選び出した。なお、遺伝学的な条件を均一にするため、他地域からの移民ではなくデンマーク系の祖先を持つ人を対象にした。

 参加者はベースラインで診察と検査を受け、喫煙などの生活習慣関連情報を質問票で調べた。LDL-c値は中性脂肪が4.0mmol/L未満の場合はフリードワルドの計算式を用い、中性脂肪がそれより高い場合は直接測定を行った。主要評価項目は心筋梗塞とアテローム硬化性心血管疾患とし、コホート参加者の追跡は、心筋梗塞などのイベント発生、他国への移住、死亡、終了予定日(2018年12月7日)のいずれかまで継続した。

 LDL-c値と心筋梗塞やアテローム硬化性心血管疾患の関係は、Cox比例ハザードモデルを用いて検討した。多変量解析の際に補正する共変数は、年齢、性別、喫煙、HDL-c、BMI、高血圧、推定糸球体濾過率とした。また、スタチンの予防的治療を行うことで、5年当たりの心筋梗塞を1件減らすための治療必要数(NNT)も推定した。

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