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Lancet誌から
フェブキソスタットの心血管リスクは非劣性
欧州医薬品庁の要望によりアロプリノールと比較する安全性試験を追加

 英国Dundee大学のIsla S Mackenzie氏らは、欧州医薬品庁の要望により市販後の安全性を再確認するためのThe Febuxostat versus Allopurinol Streamlined Trial(FAST)試験を行い、約6000人の痛風患者を中央値で4年間追跡して、フェブキソスタットの心血管イベントに対する安全性はアロプリノールに劣らなかったと報告した。結果は2020年11月9日にLancet誌電子版に掲載された。

 キサンチンオキシダーゼ阻害薬のフェブキソスタットは、尿酸の生成を強力に抑制するため痛風患者の治療に用いられる。初期の臨床試験では、アロプリノールまたはプラセボを投与された患者に比べ、フェブキソスタットを投与された患者に、心血管イベントが多く発生することが示唆された。その後に行われたCONFIRMS試験では、6カ月間投与した場合に、これら2剤が心血管イベントに及ぼす影響に差はないことが報告されていた。

 しかし、尿酸降下薬の投与期間は一般に長いことから、欧州医薬品庁はフェブキソスタットの心血管系に対する安全性をアロプリノールと比較する承認後試験の実施を促した。そこで著者らは、英国、デンマーク、スウェーデンの痛風患者を対象に、オープンラベルのランダム化非劣性試験FASTを実施することにした。

 組み入れ対象は、痛風と診断された60歳以上で、担当医が尿酸降下薬が必要と考えている患者。痛風以外の心血管危険因子を1つ以上保有しており、アロプリノールによる尿酸降下治療を受けていることとした。無症候性の高尿酸血症患者は組み入れから除外した。また、過去6カ月間に心筋梗塞や脳卒中を発症した患者や、NYHAクラスIIIまたはIVのうっ血性心不全、重度の腎機能障害がある患者も除外した。

 患者をスクリーニングする時点で血清尿酸値を測定し、リードイン期間を設けてアロプリノール用量の最適化を試みた。目標値はEULARが設定している0.357mmol/L(6mg/dL)未満で、2週間ごとにアロプリノールの1日用量を100mgずつ増量していき、目標値達成または認可された最大用量の1日900mg、あるいは患者が耐えられる用量まで増量を行った。尿酸値の目標に達した参加者は、1対1の割合でランダムにアロプリノール群またはフェブキソスタット群に割り付けた。

 両群とも割り付けられた治療を始める前に7~21日のウオッシュアウト期間を設けた。その後、アロプリノール群は割り付け前に最適化した用量の治療を再開した。フェブキソスタット群は最初の2週間は1日80mgの治療を開始し、尿酸値が目標域にならない患者は1日120mgに増量した。大半の患者は、追跡期間中も割り付け時点の最適用量を継続したが、主治医の判断で用量を増減してもよいこととした。

 参加者は全員、年1回受診して血液検査と尿検査を受け、尿酸、クレアチニン、電解質、肝機能などをチェックした。そのほかに研究チームは2カ月ごとに参加者に連絡を取り、状態を確認した。有害事象の報告はいつでも受けることにした。参加者は痛風フレアを予防するための治療を受けて良いこととした。第1選択薬はコルヒチンで、第2選択薬は非ステロイド抗炎症薬(ナプロキセン、ジクロフェナク、メロキシカム)と胃の保護薬(オメプラゾール、ラニチジン)とした。

 主要評価項目は、非致死的心筋梗塞またはバイオマーカー陽性の急性冠症候群による入院、非致死的脳卒中、心血管イベントによる死亡、からなる複合イベントとした。副次評価項目は、複合イベントの各要因、総死亡、心不全や不安的狭心症による入院、冠動脈再建術、脳血流再建術、静脈や末梢動脈の血栓塞栓イベント、不整脈による入院などとした。臨床アウトカムは、患者特性と参加国を層別化したCox比例ハザードモデルを用いて、痛風フレアをのぞく複合イベントが最初に起こった時間について解析した。アロプリノールに対するフェブキソスタットの非劣性マージンは、ハザード比の95%信頼区間の上限が1.3に設定した。

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