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Lancet誌から
PCIとCABGのアウトカム予測モデルを更新
治療法の選択に役立つ新たなモデルの作成と検証

 オランダAmsterdam大学(現所属は近畿大学医学部)の高橋邦彰氏らは、SYNTAX試験に登録された患者を10年後まで追跡したSYNTAX Extended Survival(SYNTAXES)試験のデータを用いて、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や冠動脈バイパスグラフと術(CABG)を受けた三枝病変もしくは左冠動脈主幹部病変患者の10年総死亡リスクと5年主要心血管イベントリスクを予測するモデルの改訂版「SYNTAX score II 2020」を構築し、新たなモデルは心筋梗塞患者の冠動脈再建治療法の選択に有用だと報告した。結果は2020年10月8日にLancet誌電子版に掲載された。

 冠動脈の血行再建が必要な患者にはPCIやCABGが行われているが、複雑な病変の患者では、どちらの治療が最適かは個人によって異なる可能性がある。Synergy Between PCI with TAXUS and Cardiac Surgery(SYNTAX)試験に基づいて提案されたSYNTAXスコアは、冠動脈造影により得られる情報に基づく血行再建術選択ツールだ。そこにベースラインの臨床的特徴を加えたのがSYNTAXスコアIIだ。スコアIIは、解剖学的SYNTAXスコア、左冠動脈主幹部病変、年齢、クレアチニンクリアランス、左室駆出率、末梢血管疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、女性、という8つの予測因子からなる。

 今回提案されたSYNTAXスコアII 2020は、SYNTAXスコア、病変のタイプ(三枝病変か左冠動脈主幹部病変か)、年齢、クレアチニンクリアランス、左室駆出率、末梢血管疾患、COPD、現在喫煙、糖尿病から構成されている。得られるスコアは、その患者にPCIを適用した場合とCABGを適用した場合の、10年総死亡および5年主要心血管イベントのリスク差、すなわち得られる利益の差を示す。

 著者らは今回、北米と欧州の18カ国の85施設で、2005年3月から2007年4月まで行われた医師主導の多施設ランダム化比較試験SYNTAXの追跡期間を延長したSYNTAXESのデータを分析した。SYNTAXは、de-novo 3枝病変または左冠動脈主幹部病変を有する患者を、1対1での割合でPCIまたはCABGにランダムに割り付けている。延長試験SYNTAXESの主要評価項目は、10年総死亡率に設定されていた。

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