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Lancet誌から
レーザー白内障手術の優位性は示せず
フェムトセカンドレーザーと従来の手術を比較したフランスのRCT

 フランスBordeaux大学病院のCedric Schweitzer氏らは、フェムトセカンドレーザーを用いた白内障手術(FLACS)と従来型の水晶体乳化吸引術(PCS)の術後3カ月時点のアウトカムを比較するランダム化比較試験を(RCT)行い、FLACSのコストは高いが治療成績に差はなかったと報告した。結果はLancet誌2020年1月18日号に掲載された。

 FLACSでは角膜や前嚢の切開と水晶体分割の精度が高いため、合併症や周辺構造に与えるダメージが少なく、PCSよりも良好な術後アウトカムが得られやすいと考えられている。一方、必要なコストはPCSよりも高い。しかし、2種類の手術の費用対効果を分析した研究はなかった。そこで著者らは、アウトカムの優位性と費用対効果を調べるRCTのFemtosecond laser-assisted versus phacoemulsification cataract surgery(FEMCAT)試験を計画した。

 FEMCAT試験にはフランスの大学病院5施設が参加した。対象は参加施設の外来を受診して、片眼または両眼の白内障手術を受けることになった、22歳以上の連続する患者。参加者は手術の5日前に、参加施設と片眼か両眼かで層別化し、1対1の割合でFLACSとPCSにランダムに割り付けた。両眼の患者は左右を同じ術式に割り付けた。

 どちらも外来手術の標準法に従って局所麻酔で実施した。PCS群の患者には、シャム治療としてFLACS装置用のストレッチャーに乗ってもらうが、フェムトセカンドレーザーによる切開を行わず、赤外線で2分間のレーザー治療シミュレーションを行った。どちらの群も同じメーカー製の単焦点眼内レンズを水晶体嚢に挿入した。術後の評価は、手術当日、2~4日後、1カ月後、3カ月後、12カ月後に行った。患者には12カ月後まで割り付けを知らせなかった。

 臨床的な主要評価項目は、術後3カ月の受診時に評価した手術成功率とした。手術成功の定義は、1)術中または術後3カ月間に重症合併症なし、2)最高矯正視力(BCVA)が0.0 LogMAR(logarithm of the minimum angle of resolution)以上、3)屈折異常の絶対値が0.75ジオプトリー以下、4)角膜乱視の度数と角度に変化なし(それぞれ0.5ジオプトリー以下と20度以下)、の4項目をすべて満たした場合とした。視機能の評価者には割り付けを知らせずに実施した。主要評価項目のそれぞれを副次評価項目とした。

 重症合併症は、手術中の後嚢破損、硝子体脱出、チン小帯断裂、術中の水晶体の後方脱臼または亜脱臼もしくは術後3カ月時点の眼内レンズの後方脱臼または亜脱臼、3カ月時点まで持続した臨床的に意義がある角膜浮腫、術後3カ月間の網膜剥離、もしくは、臨床的に意義がある嚢胞様黄斑浮腫、あるいは眼内炎とした。

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