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Lancet誌から
術後の癒着は開腹より腹腔鏡の方が少ない
スコットランドで腹部・骨盤部の手術を受けた患者を5年間追跡

 腹部の手術を受けた患者において、癒着は長期的な合併症を引き起こす可能性が高い。オランダRadboud大学医療センターのPepijn Krielen氏らは、腹部または骨盤部の開腹手術を受けた患者と腹腔鏡手術を受けた患者を追跡するレトロスペクティブなコホート研究を行い、癒着が直接関係していると見なされた再入院率は腹腔鏡手術の方が少なかったと報告した。結果はLancet誌2020年1月4日号に掲載された。

 腹部または骨盤部の開腹手術を受けた患者の79~90%に癒着が生じると報告されている。開腹手術後の癒着の発生率や臨床的な影響について評価した初めての大規模な疫学研究であるSCAR研究の最初の報告は、1999年に公表されたが、その後、腹腔鏡手術のような最小侵襲手術の普及や癒着防止材の登場により、癒着の形成は減少したことが示されていた。しかし、長期的な癒着関連合併症も減少したのかどうかは明らかではなかった

 そこで著者らは、2009年6月1日から2011年6月30日までに、腹部または骨盤部の開腹手術または腹腔鏡手術を受けたあらゆる年齢の患者の情報を、NHS Scotlandが管理しているScottish National Health Serviceから入手して、癒着関連の再入院率を検討するコホート研究を行った。追跡は術後5年間のデータを確保するため、2017年12月31日まで行った。過去に腹腔内や骨盤内の手術を受けたことがある患者は除外した。

 分析対象とした再入院は、癒着に直接関係しているもの(癒着切離、癒着性小腸閉塞など)と、癒着関連である可能性があるもの(分類不能な小腸閉塞など)、そして、癒着が関係するかもしれない疾患に対する手術のための再入院(虫垂切除術後の結腸右半切除)に限定した。

 主要評価項目は、開腹手術または腹腔鏡手術から5年以内の、手術後の癒着と直接関係する再入院の発生率に設定。副次評価項目は、癒着に関連する可能性がある再入院の発生率とした。

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