診療ガイドラインでは、左室駆出率(LVEF)が低下している心不全(HFrEF)患者に処方するACE阻害薬、ARB、β遮断薬の推奨用量に性別による差はないが、これらの薬の薬物動態には性差があることが知られている。オランダGroningen大学医療センターのBernadet T Santema氏らは、欧州とアジアのコホート研究から、女性の方が男性より薬の至適用量は少ないと報告した。結果はLancet誌電子版に2019年8月22日に掲載された。

 一般的には女性の方が、体重が少なく、体脂肪率が高く、循環血漿量も少ない傾向がある。このため、脂溶性の薬は作用時間が長く、水溶性の薬は血中濃度のピークが高くなりやすい。そこで著者らは、最適な心不全治療薬の用量はHFrEF患者の性別によって異なると考え、国際的な前向き観察研究であるBIOSTAT-CHF試験のデータを事後解析することにした。

 BIOSTAT-CHFは、欧州11カ国で行われた研究で、2010~12年に心不全患者を対象に、新たに治療を開始するか、またはガイドラインの推奨用量まで治療薬を増量し、アウトカムが不良なのはどんな条件の患者なのかを調べた試験だ。組み入れから3カ月間に、ACE阻害薬またはARB、β遮断薬を徐々に至適用量まで増

心不全治療薬の至適用量は女性の方が少ないの画像

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