心臓手術が予定されている患者にはしばしば、貧血と鉄欠乏症が認められる。スイスZurich大学病院のDonat R Spahn氏らは、手術前日にカルボキシマルトース鉄、エリスロポエチンα、ビタミンB12、葉酸を投与すると、プラセボ群よりも術後7日間および90日間の赤血球輸血の必要性が有意に低下すると報告した。結果は、Lancet誌電子版に2019年4月25日に掲載された。

 心臓手術を受ける患者の貧血や鉄欠乏症は、術後の赤血球輸血の必要性を上昇させ、死亡率を含む手術成績悪化のリスクを高めることが知られている。そこで著者らは、手術直前の治療介入でも、周術期の赤血球輸血を減らし、アウトカムを向上させられるのではないかという仮説を立て、単一施設で二重盲検のランダム化比較試験を実施した。

 組み入れ対象は、冠動脈バイパス手術(CABG)や心臓弁手術、またはその両方を受ける予定の患者で、ヘモグロビン値が女性で12g/dL未満、男性では13g/dL未満の貧血がある人、または貧血ではないがフェリチン濃度が100μg/L未満の鉄欠乏症がある人。ECMO(体外式膜型人工肺)による治療が必要な患者は対象から除外した。

手術前日の貧血・鉄欠乏症治療が役立つの画像

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