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Lancet誌から
高齢者の2型糖尿病にリナグリプチン追加は有効で安全
オーストラリアなど5カ国で行われた国際フェーズ3試験の結果

 糖尿病治療薬(メトホルミンSU薬インスリン)を使用しても血糖コントロールが不十分な70歳以上の2型糖尿病患者にDPP4阻害薬リナグリプチンを追加投与すると、HbA1c値が有意に低下し、忍容性は高いことが明らかになった。プラセボ対照、二重盲検法の国際フェーズ3試験を行った英Birmingham大学のAnthony H Barnett氏らが、Lancet誌電子版に2013年8月13日に報告した。

 高齢者は併存疾患の有病率が高く、複数の医薬品を使用している場合も多い。加齢による膵島細胞の機能低下も見られるため、2型糖尿病に対する治療薬の選択は難しい。治療を選ぶ際に考慮すべき重要なポイントの一つが安全性で、高齢者に起こりやすく深刻な影響が生じる危険性がある低血糖のリスクと治療の利益のバランスを考慮することが大切だ。目標とするHbA1c値を患者ごとに設定する必要もある。

 DPP4阻害薬は低血糖リスクが低く、高齢の2型糖尿病患者に対する治療薬として有望と考えられている。80歳以下の2型糖尿病患者を登録したフェーズ3試験では、リナグリプチンの血糖降下作用と忍容性が確認されていた。そこで著者らは、リナグリプチン以外の糖尿病治療薬を使用しても血糖コントロールが不十分な70歳以上の高齢患者を対象に、リナグリプチンの有効性と安全性を評価した。

 5カ国(オーストラリア、カナダ、デンマーク、オランダ、スウェーデン)の33医療機関で、10年3月~11年6月に試験を行った。70歳以上の2型糖尿病患者で、HbA1cは7.0%以上、8週以上にわたって安定用量のメトホルミン、SU薬、インスリンのいずれか、またはこれらを併用していた患者を登録し、ランダムに2対1の割合で、リナグリプチン5mgまたはプラセボに割り付け、1日1回、24週経口投与した。割り付けまで使用していた糖尿病治療薬は、最初の12週はそのままの用量で投与し、それ以降に用量調節を行った。

 主要転帰評価指標は、ベースラインから24週までのHbA1cの変化に設定。2次評価指標は、24週時点でHbA1cの目標値(7.0%未満)を達成した患者の割合、HbA1c値が0.5%以上低下した患者の割合などとした。

 241人の地域在住の外来患者を登録し、162人をリナグリプチンに、79人をプラセボに割り付けた。平均年齢は74.9歳(SDは4.3)で、75歳以上の患者が44.4%を占めていた。平均HbA1c値は7.8%(SDは0.8)だった。

 糖尿病罹患歴が長い患者が多く(半数超が10年を超える糖尿病歴あり)、心血管疾患もしくは腎機能障害を有する患者、インスリンまたはSU薬を使用している患者、併用している薬剤が他にもある患者の割合が高かった。

 220人(91.3%)が24週の治療を完了した。割り付け薬を1回以上使用し、HbA1c測定を1回以上受けていた患者を分析対象とした。

 24週時点で、ベースラインからのHbA1cの変化は、リナグリプチン群が-0.61%(標準誤差[SE]は0.06)、プラセボ群は0.04%(0.07)で、両群の差は-0.64%(95%信頼区間-0.81から-0.48、P<0.0001)になった。

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