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Lancet誌から
高齢者の個別の血糖目標値達成にビルダグリプチンが有用
70歳以上の2型糖尿病患者を対象としたINTERVAL試験の結果

 高齢2型糖尿病患者に対して設定した個別の血糖目標値が、ビルダグリプチン(商品名エクア)を使った治療で達成可能であることが、多施設で行われたランダム化比較試験(RCT)の結果、示された。英Exeter大学医学部のW. David Strain氏らが、Lancet誌電子版に2013年5月23日に報告した。

 2型糖尿病の高齢者について最新のガイドラインは、血糖コントロールの目標値を厳格な値にせず、患者ごとに年齢や併存疾患、虚弱の程度、糖尿病関連の合併症の有無などを考慮して、緩やかに設定することを推奨している。その理由は、高齢の2型糖尿病患者は多様な集団であり、介入により低血糖も起こりやすく、多種類の薬剤を服用している割合が高いためだ。

 しかし、過去に行われたRCTでは、70歳以上の虚弱高齢者などは除外されており、日常診療における高齢2型糖尿病患者の血糖目標の設定に役立つ情報はこれまでほとんどなかった。さらに、個別化目標の達成が可能かどうかを調べた研究も、これまで行われていなかった。

 そこで著者らは、高齢患者に対して個別に血糖目標を設定し、目標達成の実現可能性を評価する国際的な二重盲検のRCT「INTERVAL」を行った。治療に用いたビルダグリプチンは、高齢者に対する有効性と安全性が確認されているDPP4阻害薬だ。

 欧州7カ国の外来診療所45カ所で、治療歴がない、または経口糖尿病治療薬(OAD)を使用していても血糖コントロールが十分でない70歳以上の2型糖尿病患者で、HbA1cが7.0%以上10.0%以下、空腹時血糖値が270mg/dL以下、BMIが19~45の患者を登録した。インスリンやインクレチン関連薬を使用していた患者は除外した。

 年齢、ベースラインのHbA1c値、併存疾患、虚弱の程度(Friedらの基準で判定)に基づいて患者ごとにHbA1cの目標値を設定し、ビルダグリプチン群(50mgを1日1~2回)またはプラセボ群に割り付けた。ベースラインでOADを使用していた患者では安定用量の服用を試験期間中も継続した。Treat-to-target(目標達成に向けた治療)プロトコルではないため、OADの用量調整は行わなかった。全員に対し、糖尿病管理全般に関する情報を提供し、目標値を設定する意義を伝えて、低血糖、高血糖の症状と対処法などに関する教育も実施した。

 主要転帰評価指標は、個々に設定されたHbA1c値の目標を試験終了時点で達成した患者の割合と、ベースラインからのHbA1c値の低下の2つに設定し、intention-to-treat分析した。主要評価変数が2つあるため、有意水準5%を3.8%と1.2%に分割し、目標を達成した患者の割合の比較には96.2%信頼区間を、ベースラインからのHbA1c低下の比較には98.8%信頼区間を用いた。この試験は、2つの主要変数の両方で介入の有効性が示された場合にエンドポイント達成と判断する設計とした。
 

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