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Lancet誌から
エベロリムスが結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫に有効
「腫瘍体積が50%以上減少かつ進行なし」が45%、EXIST-2試験の結果

 良性の腫瘍だが重篤な合併症をもたらす可能性がある腎血管筋脂肪腫に、エベロリムスが有効であることが、米Cincinnati小児病院のJohn Bissler氏らが行った無作為化試験で明らかになった。論文は、2013年1月11日付のLancet誌電子版に掲載された。

 腎血管筋脂肪腫は、結節性硬化症リンパ脈管筋腫症患者の多くが発症する良性腫瘍だ。成長は遅いが、潜行性の増殖は、後腹膜出血や腎機能障害などの重篤な合併症を引き起こす危険性がある。また、腎血管筋脂肪腫が増大すれば慢性腎疾患となり、透析や腎移植が必要になる可能性もある。

 腎血管筋脂肪腫にはmTOR(mammalian target of rapamycin)の活性化が見られる。ラパマイシン誘導体であるエベロリムスは、mTOR複合体1の阻害を通じてmTOR経路を阻害する。そこで、エベロリムスを血管筋脂肪腫に適用する小規模なフェーズ1-2試験が行われ、有望な結果が得られていた。

 著者らは今回、結節性硬化症または孤発性(結節性硬化症に伴うものではない)リンパ脈管筋腫症で、腎血管筋脂肪腫を有する患者に、エベロリムスまたは偽薬を投与して奏効率を比較する国際的な二重盲検の前向きフェーズ3試験EXIST-2を実施した。

 09年8月から10年12月まで、18歳以上で、結節性硬化症または孤発性リンパ脈管筋腫症の確定診断を受けており、CTまたはMRIで最大直径が3cm以上の腎血管筋脂肪腫の存在が認められた患者を登録。2対1の割合で、エベロリムス10mg/日または偽薬に無作為に割り付け、経口投与した。

 有効性の主要評価指標は、最良総合効果で奏効と判定された患者の割合に設定。「奏効」の定義は、評価対象にした腫瘍の体積の合計がベースラインに比べ50%以上縮小しており、かつ進行(新たな腫瘍の出現など)が見られなかった場合とした。

 11カ国の24施設で、118人の患者(年齢の中央値は31.0歳、レンジは18.0~61.0歳)を登録。エベロリムス(79人、うち2人が孤発性リンパ脈管筋腫症)または偽薬(39人、3人が孤発性リンパ脈管筋腫症)に割り付けた。盲検下でのデータ収集は、血管筋脂肪腫の進行、許容できない毒性の出現、あらゆる理由による脱落、2011年6月末のうち、いずれか早い時点まで継続した。偽薬群で進行が見られた患者については、盲検を解除してオープンラベルでエベロリムスを投与した。

 登録された患者の78%(118人中92人)は、両腎臓に血管筋脂肪腫が認められた。最大直径が8cm以上の腫瘍があった患者が29%(34人)いた。40%が治療歴を持ち、19%は腎臓摘出術を受けていた。

 98人(83%)が盲検下での治療を終了した。追跡を完了できなかった患者について理由を確認したところ、病気の進行(偽薬群の9人)が最も多く、有害事象(エベロリムス群の2人と偽薬群の4人)による治療中止がこれに続いた。

 割り付けられた薬剤を使用した期間の中央値は、エベロリムスが38週、偽薬が34週だった。

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