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Lancet誌から
テノホビル長期投与でB型肝炎患者の肝硬変が改善
2件のフェーズ3試験をオープンラベルで延長、5年追跡

 抗ウイルス薬のテノホビルB型慢性肝炎患者(HBV慢性感染者)に長期投与し、B型肝炎ウイルス(HBV)の複製を抑制し続けると、患者の肝線維症肝硬変が改善することが明らかになった。オープンラベルの延長試験の5年時の結果で、仏INSERM Beaujon病院のPatrick Marcellin氏らが、Lancet誌電子版に2012年12月10日に報告した。

 HBV慢性感染者の15~40%が、肝硬変の進行、肝不全、または肝細胞癌を経験する。世界的に見ると、肝細胞癌症例の約50%にHBV感染が関与しており、それらの患者の最大80%が肝硬変を合併している。

 テノホビルは、HBVのポリメラーゼや逆転写酵素を強力に阻害する核酸アナログで、HBV慢性感染者とHIV-1感染者の治療に用いられている(わが国での保険適用はHIV-1感染症のみ)。だが、HBVの複製を阻害する治療を長期にわたって行った場合に、肝臓の組織の変化にどのような影響が現れるのかはほとんど明らかではなかった。

 著者らは今回、2件の国際的な二重盲検無作為化フェーズ3試験(NCT00117676とNCT00116805)の延長試験で得られたデータを分析した。これらの試験は当初、登録患者を、テノホビル(テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩)またはアデホビル(アデホビルピボキシル)に割り付けて、1日1回、48週間投与し、生検を含む評価を行って、安全性と有効性を比較。その結果、アデホビルに比べテノホビルの方がウイルス抑制効果が高く、組織の炎症軽減も大きいことが示されていた。

 試験が終了した48週以降は、それまでアデホビルを使用していた患者もテノホビルに切り替えて、全員にオープンラベルでテノホビルを投与した。投与期間は7年間に設定。オープンラベル試験に引き続き参加した患者は、240週時に肝生検を受けることになっていた。

 著者らは、240週時の生検結果を利用して、テノホビルの長期投与が肝線維症と肝硬変に与える影響を評価した。

 生検標本は、Knodell壊死炎症スコア(スコアが3以下なら、壊死炎症なしまたは軽症の壊死炎症あり、10以上なら明瞭な壊死炎症あり)、Knodell線維化スコア(0は線維化なし、4は肝硬変)、Ishak線維化スコア(0は線維化なし、5以上は肝硬変)を用いて評価した。

 主要評価指標は、組織学的改善(Knodell壊死炎症スコアが2ポイント以上改善し、Knodell線維化スコアの悪化がない)と線維症の改善(Ishak線維化スコアが1ポイント以上改善)に設定。

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