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Lancet誌から
ピロリ除菌には3剤併用療法より4剤の逐次的治療が第一選択か
PPI+アモキシシリンを7日間投与後、PPI+クラリスロマイシン+メトロニダゾールを7日間

 Helicobacter pylori(H.pylori)の除菌において、従来の3剤併用療法に比べ、ランソプラゾール+アモキシシリンを7日間、その後ランソプラゾール+クラリスロマイシン+メトロニダゾールを7日間投与する逐次的治療(sequential treatment)の方が除菌率が高く、除菌の第一選択になり得ることが、国立台湾大学病院のJyh-Ming Liou氏らが行った無作為化試験で分かった。論文は、Lancet誌電子版に2012年11月16日に掲載された。

 逐次的治療、例えば、「最初の5日間はプロトンポンプ阻害薬(PPI)とアモキシシリンを併用し、その後5日間はPPIとクラリスロマイシン、メトロニダゾール(またはチニダゾール)を併用」といったレジメンは、3剤を7日間または10日間投与し続けた場合よりも有効性が高いことが報告されている。この治療はクラリスロマイシン耐性の影響も受けにくいことから、除菌の第一選択になる可能性があると考えられていた。

 だが、こうした逐次的治療について、米国のガイドラインが推奨している14日間の3剤併用療法と有効性を比較した研究や、H.pyloriの薬剤感受性を調べた上で各レジメンの効果を調べた研究はほとんどなかったことから、実際に3剤併用の代替として用いるためにはエビデンスが不足していた。

 そこで著者らは、14日間の3剤併用療法と、10日間または14日間の逐次的治療の有効性を比較するオープンラベルの無作為化試験を実施した。同時に、H.pyloriの抗菌薬耐性、ホストのCYP2C19遺伝子の多型、H.pyloriの病原因子(CagA、VacA)の有無といった要因の除菌率への影響についても分析することにした。

 台湾の6つの消化器疾患クリニックで、H.pylori感染が確認されており、除菌を受けたことがない20歳以上の患者を登録。1対1対1で、14日間の逐次的治療(ランソプラゾール30mg+アモキシシリン1gを1日2回7日間投与し、その後ランソプラゾール30mg+クラリスロマイシン500mg+メトロニダゾール500mgを1日2回7日間投与する;S-14)、10日間の逐次的治療(上記の薬剤の投与期間をそれぞれ5日間に短縮して計10日間行う;S-10)、14日間の標準治療(ランソプラゾール30mg+アモキシシリン1g+クラリスロマイシン500mgを1日2回14日間投与;T14)に割り付けた。

 H.pyloriの薬剤耐性は、生検標本を培地上で培養し抗菌薬を加えて最小発育阻止濃度(MIC)を求める方法で評価した。

 主要転帰評価指標は、第一選択として用いた場合の除菌率に設定。intention-to-treat分析とper-protocol分析を行った。

 2009年12月28日から2011年9月24日まで、900人の患者を登録し、300人ずつ3群に割り付けた。生検標本が得られたのは699人で、薬剤感受性に関するデータが得られたのは552人だった。

 除菌率は、S-14群が90.7%(95%信頼区間87.4-94.0%)、S-10群が87.0%(83.2-90.8%)、T-14群が82.3%(78.0-86.6%)だった。T-14に比べ、S-14の有効性は高く(P=0.03)、intention-to-treat分析における治療必要数(NNT)は12.0(7.2-34.5、P=0.003)、per-protocol分析では13.7(8.3-40.0、P=0.003)になった。S-14群とS-10群の除菌率の比較では有意差は見られず、S-10群とT-14群を比較しても有意差は見られなかった。

 3群間で有害事象の発生率と服薬遵守率に有意差はなかった。

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