日経メディカルのロゴ画像

Lancet誌から
難治性の慢性咳嗽にガバペンチンが有効
咳嗽特異的QOLを有意に改善、オーストラリアの無作為化試験の結果

 難治性の慢性咳嗽患者を対象とした二重盲検無作為化試験で、ガバペンチンが咳嗽特異的QOLを有意に改善することが明らかになった。オーストラリアNewcastle大学のNicole M Ryan氏らが、Lancet誌2012年8月28日号に報告した。

 が慢性化すると咳嗽反射の感度が増し、カプサイシンのような咳嗽刺激物質に対する過敏性が生じる。一方で、慢性咳嗽患者には、咳嗽刺激物質ではないものに起因する咳も認められる。これは、中枢性の感作(中枢神経の咳嗽反射に対する反応性の亢進)が形成されていることを示唆する。

 中枢性の感作が関与することが知られている疾患の1つが神経因性疼痛で、その中でも、錯感覚、痛覚過敏、異痛症(アロディニア)などは慢性咳嗽と共通する臨床特性を示す。著者らは、中枢性感作が関係する神経因性疼痛にはガバペンチンが有効であること、ガバペンチンの慢性咳嗽に対する有効性を示したケースシリーズ研究が2件あることから、難治性の慢性咳嗽患者に対するガバペンチンの効果を明らかにしようと考えた。

 オーストラリアのJohn Hunter病院の呼吸器外来で、08年10月から10年9月まで患者登録を実施した。咳に対する治療(喘息、胃食道逆流症、鼻炎など様々な病気を想定した治療も含む)を受けたが、8週を超えて咳嗽が持続しており、活動性の呼吸器疾患や呼吸器感染がない、非喫煙者の成人患者を登録。ガバペンチンまたは偽薬のいずれかに無作為に割り付けた。両群とも最初の6日間で最大耐用量(ガバペンチンは1800mg/日)まで増量し、最大耐用量を10週間投与した後に6日間かけて減量して、12週目の終わりに投与を終了した。

 咳嗽反射の中枢性感作の有無は、咳嗽反射過敏症の有無に基づいて判断した。咳嗽反射過敏症は、カプサイシンを含むエアロゾルの吸入から30秒以内に5回以上の咳が発生するカプサイシンの濃度が134.8μM/L未満で、以下の特徴を示す咳嗽の経験がある場合とした:咽頭の錯感覚による咳、通常は咳を誘発させない要因に起因する咳嗽、煙や蒸気などの低レベルの刺激を誘因とする過敏性の咳。

 主要転帰評価指標は、8週時の咳嗽特異的QOL(Leicester咳嗽質問票スコア=LCQスコア;1.3ポイント超の変化を臨床的に意義があるとする)のベースラインからの変化とし、intention-to-treat分析した。

 62人の患者を登録し、32人(平均年齢62.7歳、男性が38%)をガバペンチンに、30人(60.9歳、33%)を偽薬に割り付けた。10人が脱落し、試験を完了したのはガバペンチン群の26人と偽薬群の26人だった。

 ベースラインでガバペンチン群の19人(59%)と偽薬群の20人(67%)が、咳嗽反射の中枢性感作ありと判断された。

この記事を読んでいる人におすすめ