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Lancet誌から
急性腎盂腎炎へのシプロフロキサシンは7日間でも有効
短期的、長期的な治癒率は14日投与に劣らず

 市中感染の急性腎盂腎炎と診断された女性患者に、シプロフロキサシン7日間投与した場合と14日間投与した場合の有効性を比較した前向き非劣性試験で、7日間でも短期的、長期的な治癒率に差が無いことが明らかになった。スウェーデンSahlgrenska大学病院のTorsten Sandberg氏らが、2012年6月21日付のLancet誌電子版に報告した。

 抗菌薬耐性の問題が深刻化する中で、一般的な感染症に抗菌薬を用いる場合の用量や投与期間の見直しが必要と考えられている。急性腎盂腎炎は成人女性に多く見られる感染症の1つだが、治療法について評価した比較対照試験は十分に行われておらず、抗菌薬投与の最適な期間は明らかではなかった。

 著者らは、スウェーデン国内の21カ所の感染症センターで、06年2月1日から08年12月31日まで、急性腎盂腎炎が疑われた18歳以上の女性を登録。組み入れ条件は、発熱が38度以上で、尿路感染の徴候(側腹痛、肋骨脊柱角圧痛、排尿障害など)が1つ以上認められる、とした。

 これらの患者を、シプロフロキサシン500mgを1日2回×7日間経口投与、または14日間経口投与のいずれかに無作為に割り付けた。

 1週目はオープンラベルで行い、2週目から二重盲検に変更した。7日投与に割り付けられた患者には、2週目は偽薬を投与した。

 主要評価指標は、実薬投与終了から10~14日後の治癒達成者の割合とし、2次評価指標は、42~63日追跡した時点の治癒達成者の割合とした。いずれも非劣性のマージンは「両群の差の90%信頼区間の上限が10パーセンテージポイント未満」に設定し、分析はper-protocolで行った。

 治癒達成者は、分析対象となった患者から臨床的治療失敗とみなされた患者と微生物学的治療失敗と判断された患者を除いた人々とした。臨床的治療失敗は、症状が持続または悪化したため、または有害事象によって治療を中止した場合とし、微生物学的治療失敗は、追跡期間中に原因菌が105 cfu/mL以上検出され、尿路感染症状が再発した場合、と定義した。

 確定診断前に割り付けを行っていたため、治療開始後に急性腎盂腎炎が否定された患者は除外した。治療開始前に採取された尿の培養結果が失われていた患者や2種類以上の細菌が分離された患者、分離された細菌がシプロフロキサシン低感受性または耐性を示した患者も除外した。さらに、割り付け後に受診しなかった患者、他の抗菌薬も使用した患者、最初の1週間に1回以上割り付け薬を服用しなかった患者、14日間に2回以上割り付け薬を服用しなかった患者などを除外した上で、per-protocol分析を実施した。

 安全性の評価は、割り付け後に1回以上シプロフロキサシンを服用した患者を対象に行った。

 248人を登録し、126人を7日投与に、122人を14日投与に割り付けた。主要評価指標である短期追跡の分析対象になったのはそれぞれ73人(年齢中央値は46歳)と83人(年齢中央値は41歳)、2次評価指標である長期追跡の分析対象は73人と84人だった。

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