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Lancet誌から
喫煙ドナーからの肺移植は、非喫煙肺を待つより死亡リスクが低い
英国の臓器移植登録のデータ分析

 喫煙ドナーの肺を移植された患者の3年間の死亡リスクは、非喫煙ドナーから肺移植を受けた患者に比べて有意に高いが、移植を受けずに非喫煙ドナーの登場を待つよりは死亡リスクが有意に低いことが、英国の臓器移植登録のデータ分析で明らかになった。英Birmingham大学病院のRobert S Bonser氏らが、Lancet誌電子版に2012年5月29日に報告した。

 肺ドナーの喫煙歴はレシピエントの生存に有害な影響を及ぼす可能性がある。しかし、提供される臓器の数が十分でない状況下で、喫煙ドナーからの提供を拒否すると、移植を待つ患者の生存が脅かされる可能性がある。

 著者らは、喫煙者からの肺移植がレシピエントの3年間の生存に及ぼす影響を調べ、その移植を受けずに非喫煙者からの提供があるまで待った場合の死亡リスクを推定しようと考えた。

 英国の臓器移植登録の中から、肺移植のドナーとレシピエントに関する情報を得た。

 まず、成人の脳死患者をドナーとして、初めて肺のみの移植を受けたレシピエントについて、移植後3年間の生存に及ぼすドナーの喫煙の影響を分析した。

 1991年7月から2010年12月31日までに、脳死の成人ドナー1221人から1295件の肺移植が行われていた。510件は喫煙者から、712件は非喫煙者からの移植で、73件は喫煙歴不明のドナーからの移植だった。

 追跡期間中の死亡は536人。喫煙肺の移植を受けた患者の生存期間の中央値は4.9年、非喫煙肺の移植を受けた患者では6.5年で、喫煙肺の移植患者の移植後3年間の死亡リスクは、非喫煙肺の移植を受けた患者に比べて有意に高かった。3年死亡の未調整ハザード比は1.46(95%信頼区間1.20-1.78)。

 3年間の生存に影響を与える独立した要因として、レシピエントの年齢、ドナーとレシピエントのサイトメガロウイルス感染状態、ドナーとレシピエントの身長の差、ドナーの性別、虚血時間の合計を調整に加えると、喫煙肺の移植を受けた患者の3年間の死亡のハザード比は1.36(1.11-1.67)になった。

 喫煙ドナーの喫煙本数に関するデータが得られたのは、457人のレシピエント。1~20本/日だったドナーに比べ、20本超/日のドナーから移植を受けた患者の死亡率は高かった(P=0.023)。

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