日経メディカルのロゴ画像

Lancet誌から
頸動脈IMTの増加と心血管リスクに有意な関係なし
メタ分析の結果、臨床試験の代替エンドポイントとしては支持されず

 頸動脈内膜-中膜肥厚(IMT)の増加と心血管イベントリスクの間に有意な関係は見られないことが、大規模なメタ分析で明らかになった。独J W Goethe大学のMatthias W Lorenz氏らが、Lancet誌電子版に2012年4月27日に報告した。

 頸動脈IMTは、超音波検査により非侵襲的に検出できるアテローム性動脈硬化のマーカーだ。一般集団においては頸動脈IMTが心血管イベントの予測因子であることが知られており、頸動脈IMTの増加と心血管リスクの間にも関係があると考えられているが、それを検証した大規模研究はなかった。

 著者らは、頸動脈IMTの進行は患者ごとに様々であるため、大規模研究に登録された個々の患者のデータを数多く入手することが必要と考え、PROG-IMT(Individual progression of carotid intima media thickness as a surrogate for vascular risk)プロジェクトを進めてきた。その第一段階である今回の分析は、一般集団を対象として頸動脈IMTを2回以上測定し、2回目の検査以降の心筋梗塞、脳卒中、または死亡の発生を追跡していた大規模コホート研究を対象に行われた。

 PubMedに12年1月10日までに登録された研究の中から条件を満たすものを選び、個々の患者のデータを入手してメタ分析を行った。2回目の超音波検査より前に心筋梗塞または脳卒中を経験していた患者は除外した。

 頸動脈の平均IMT値は、1回の超音波検査において、総頸動脈の複数箇所で測定されたIMTの平均とした。また、IMTの最大値の平均も求め、総頸動脈IMTの最大値と分岐部のIMTの最大値、内頸動脈のIMTの最大値の平均として算出した。

 臨床エンドポイントとして、心筋梗塞、脳卒中、血管死亡、全死因死亡の有無を調べた。評価指標は、初回の心筋梗塞、脳卒中、全死因死亡と、心筋梗塞/脳卒中/血管死亡を合わせた複合エンドポイントに設定し、頸動脈IMTの1SD増加当たりのハザード比を求めた。

 条件を満たした16件に登録されていた3万6984人(25万7067人-年の追跡)を分析対象にした。平均追跡期間は7.0年で、その間に心筋梗塞は1519件、脳卒中は1339件、死亡は4268件発生した。複合エンドポイントに到達したのは2028人だった。

 2~7年間隔(中央値は4年)で測定された2回の超音波検査の結果を基に、1年当たりの頸動脈IMTの増加レベルを研究ごとに推算したところ、総頸動脈の平均IMTは0.001~0.030mm、総頸動脈の最大IMT値は0.001~0.65mm増加した。頸動脈IMTの最大値の増加は0.000~0.023mmとなった。

この記事を読んでいる人におすすめ