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Lancet誌から
DVTへのカテーテル血栓溶解療法で血栓後症候群リスクが低下
急性DVT患者209人を対象に行われた無作為化試験の結果

 腸骨大腿静脈の急性深部静脈血栓症DVT)と診断された患者に、標準治療に加えてカテーテル血栓溶解薬療法CDT)を行うと、血栓後症候群PTS)リスクが低下するのではないか―。そんな仮説の下、ノルウェーで行われたオープンラベルの無作為化試験で、CDT追加によってPTS発生率が低下することが示された。ノルウェーOslo大学のTone Enden氏らが、Lancet誌電子版に2011年12月13日に報告した。

 下肢の症候性DVTの約8割は膝窩あるいは膝より上の近位静脈に発生する。DVTに対する現行の抗凝固療法は血栓の拡大・再発の予防において有効だが、血栓を溶解させる治療ではないことから、約半数の患者がPTSを発症する。弾性ストッキングを正しく着用すればPTSリスクは半減するが、それでも4人に1人がPTSを経験する。

 血栓を速やかに除去すればPTSリスクは低下すると報告されているが、全身性の血栓溶解療法は出血リスクを高める。そこで著者らは、カテーテルを用いて血栓部位に血栓溶解薬を送達するCDTの安全性と長期的なPTS予防効果を検証するCaVenT試験を実施した。

 ノルウェー南東部の20カ所の病院で、患者登録を実施。18~75歳で、初回の腸骨大腿静脈の急性DVTと診断された患者を、症状発現から21日以内に登録した。出血リスクの高い患者などを除外した209人を、1対1の割合で、標準治療(低分子量ヘパリンとワルファリン〔INR 2.0-3.0〕を用いた抗凝固療法と24カ月間の弾性ストッキング〔クラスII〕着用)または、標準治療+CDTに無作為に割り付け、24カ月間追跡した。

 CDT群の患者には、当初は低分子量ヘパリンのみを投与し、CDTの8時間前にヘパリンの投与を中止して、CDTを実施。終了時点から1時間後にヘパリンとワルファリンの投与を開始した。CDTは、主に膝窩静脈から挿入したカテーテルを静脈造影で確認した血栓部位まで進めて、血栓溶解薬アルテプラーゼ(tPA)を0.01mg/kg/時で最長96時間投与する方法で行った。最大用量は20mg/24時間とした。

 主要評価指標は、24カ月時点のPTSの発生率(Villaltaスコアを用いて評価)と、6カ月時の腸骨大腿静脈の開存率に設定し、intention-to-treat分析した。

 209人を登録して、このうち108人を標準治療に、101人をCDTに割り付けた。24カ月後にデータが得られた189人(90%、平均年齢51.5歳、標準治療群99人、CDT群90人)を分析対象とした。

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