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Lancet誌から
難治性焦点性てんかんの術後長期転帰は良好
47%が10年間「発作なし」

 難治性の焦点性てんかんで外科的治療を受けた患者の長期転帰を追跡した研究で、発作がない状態(単純部分発作を除く)が5年継続している患者は52%、10年継続している患者も47%という好ましい転帰になっていることが分かった。英London大学のJame de Tisi氏らが、Lancet誌2011年10月15日号に報告した。

 難治性の焦点性てんかん患者に対する手術の適用が増えているが、手術を受けた患者の長期的な転帰について正確に記述した報告はほとんどなかった。

 そこで著者らは、てんかん患者に対する外科治療の長期的な臨床転帰を、術後の発作の寛解と再発のパターン、抗てんかん薬の使用などに焦点を絞って分析した。

 英国の1病院で、1990年2月15日から08年10月30日までにてんかんに対する外科的治療を受けていた16歳以上の患者615人(男性が287人、手術までのてんかん歴の中央値は20.7年)の転帰を追跡。09年11月19日まで、前向きに8年(中央値)追跡し、5241人-年の転帰を調べた。

 術後の転帰は、国際抗てんかん連盟ILAE)の術後転帰尺度を用いて毎年評価した。この尺度は、OC1(アウトカム1):発作なし、OC2:単純部分発作のみ、OC3:発作が年間4日未満(単純部分発作の有無は問わない)、OC4:発作のある日数が術前の50%未満に減少(単純部分発作の有無は問わない)、OC5:発作のある日数が術前の50%以上~2倍、OC6:発作のある日数が2倍超に増加―の6群に患者を分類する。著者らは、OC1からOC2までの状態が継続している患者を「発作なし」と定義した。

 615人中497人が前部側頭葉切除術、40人が側頭葉病巣切除術、40人が側頭葉外病巣切除術、20人が側頭葉外切除術、11人が大脳半球切除術、7人が姑息的な手術(脳梁離断術、軟膜下皮質多切術)を受けていた。

 術後5年の時点で、52%(95%信頼区間48-56%)の患者が発作なしの状態を維持していた。10年時でもその割合は47%(42-51%)だった。5年無発作率は、前部側頭葉切除術群が55%(51-60%)、側頭葉病巣切除術群が56%(38-70%)、側頭葉外病巣切除術群が40%(24-55%)、大脳半球切除術群が64%(30-85%)だった。

 側頭葉外切除を受けた患者は、前部側頭葉切除を受けた患者より発作の再発を経験しやすかった(ハザード比は2.0、1.12-3.59、P=0.02)。その他の術式が用いられた患者と前部側頭葉切除を受けた患者の再発リスクには有意差は見られなかった。

 器質性の脳病変として最も多く見られたのは海馬硬化症(407人)だった。限局性皮質異形成が見られた患者(3人)は、海馬硬化症が見られた患者より早く再発していた(ハザード比3.60、1.15-11.3)。

 側頭葉の手術を受けて2年以内に単純部分発作を経験した患者は、それ以降に意識障害を伴う発作を起こす可能性が高かった。2年以内に単純部分発作がなかった患者に比べたハザード比は2.4(1.5-3.9)。

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