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Lancet誌から
新生児の先天性心疾患の発見にパルスオキシメーターが有用
英国で行われた前向き研究の結果

 新生児パルスオキシメーターを用いた経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)測定を行えば、出生前の超音波検査で見逃されていた先天性心疾患を発見できることを、英Birmingham大学のAndrew K Ewer氏らが明らかにした。論文は、Lancet誌2011年8月5日号に掲載された。

 小児の先天性心疾患は、現在、出生前の超音波検査と生後の診察によって発見されている。しかし、生命を脅かす先天的な異常が見逃されることが少なくない。そこで著者らは、パルスオキシメーターを用いた先天性心疾患スクリーニング検査の精度を前向きに調べるために、英国の病院(地域の一般病院から三次医療機関まで様々な病院を含む)の産科部門6カ所で、08年2月から09年1月まで、無症候の新生児(妊娠34週超で出生、出生前の超音波検査で心疾患の存在が疑われていた小児も含む)を登録した。

 退院前にパルスオキシメーターを用いて経皮的にSpO2を測定した。パルスオキシメーターは、生後数時間での測定に適した、体動時や低灌流時にも安定して測定できる機種を選び、センサーを右手の平と左右どちらかの足の裏に装着してSpO2を測定。1カ所でも95%未満になった場合、または両側ともに95%以上だがその差が2%を超えた場合に「異常あり」として医師が診察した。診察で明確な判断が得られなければ、1~2時間後に再度SpO2を測定。医師の診断またはSpO2再検査のいずれかにより「心血管疾患の疑いあり」と判断された患者には心エコー検査を実施した。それ以外の小児も生後12カ月まで追跡した。

 主要アウトカム評価指標は、「死の危険がある先天性心疾患」または「主要な先天性心疾患」の検出におけるパルスオキシメーターを用いたスクリーニングの感度と特異度に設定。「死の危険がある先天性心疾患」は、生後28日までに死亡する、または生後28日間に侵襲的な介入を必要とする状態とし、「主要な先天性心疾患」は、生後12カ月以内に死亡する、または生後12カ月までに侵襲的介入を必要とする状態と定義した。

 2万55人の新生児にパルスオキシメーターを用いたスクリーニングを行った。検査は出生から12.4時間(中央値)で行われていた。195人(0.8%)が測定値異常と判断され、うち192人が心エコー検査を受けた。検査を受けなかった、または受けたが結果を入手できなかった3人については、そのまま追跡したところ心疾患が認められなかったため、偽陽性に分類した。

 コホート全体で主要な先天性心疾患を持つ小児は53人見つかった。うち24人は死の危険がある心疾患だった。

 パルスオキシメーターを用いたスクリーニングの正確さを調べた。死の危険がある先天性心疾患の検出においては、真陽性が18人、偽陰性が6人、偽陽性は177人、真陰性は1万9854人で、感度は75.00%(95%信頼区間53.29-90.23%)、特異度は99.12%(98.98-99.24%)、陽性予測値は9.23%(5.56-14.20%)、陰性予測値は99.97%(99.93-99.99%)になった。

 主要な先天性心疾患の検出においては、真陽性が26人、偽陰性が27人、偽陽性は169人、真陰性は1万9833人で、感度は49.06%(35.06-63.16%)、特異度は99.16%(99.02-99.28%)、陽性予測値は13.33%(8.90-18.92%)、陰性予測値は99.86%(99.80-99.91%)となった。

 出生前の超音波検査で心疾患の存在が疑われていた35人を除くと、死の危険がある先天性心疾患検出における感度は58.33%(27.67-84.83%)、主要な心疾患検出では28.57%(14.64-46.30%)になった。

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