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Lancet誌から
術後タモキシフェンでER陽性乳癌患者の15年死亡率が3割減
より長期的な転帰を調べた最新のメタ分析の結果

 早期乳癌患者に対する術後5年間のタモキシフェン投与は、エストロゲン受容体ER)陽性患者の術後10年間の再発のリスクを約4割減らし、15年死亡率を約3割減らすこと、ER弱陽性者にも同様に有効であることが、最新のメタ分析で明らかになった。Early Breast Cancer Trialists’ Collaborative Group (EBCTCG)の研究者たちが、Lancet誌電子版に2011年7月29日に報告した。

 早期乳癌患者に対する5年間のタモキシフェン投与の利益を調べた研究において、より長期的な転帰が明らかになりつつある。著者らは最新のデータを集めてメタ分析を行い、ホルモン受容体の発現状況やそれ以外の患者特性が5年間のタモキシフェン療法の長期的転帰に及ぼす影響を評価した。

 非浸潤性乳管癌を対象とする臨床試験は除外し、タモキシフェン療法を約5年継続していた研究を選んだ。条件を満たした20件の試験に登録された早期乳癌患者で、タモキシフェンの投与を5年間受けた女性と、タモキシフェン投与を受けなかった女性、計2万1457人のデータを集めてメタ分析した。タモキシフェンの服薬遵守率は約80%だった。

 タモキシフェン投与なし群と比較した、タモキシフェン投与群の再発と死亡の率比を求めた。

 ER陰性者(5984人)の再発と死亡には、タモキシフェンはほとんどまたは全く影響していなかった。

 ER陽性者(9688人)では、10年間の再発率は、タモキシフェン群の方が有意に低かった。率比は0~4年が0.53(SEは0.03)、5~9年が0.68(SEは0.06)で、全体では0.61(SEは0.03)、対側への再発は0.62(SEは0.07)となり、いずれも2P<0.00001(両側検定)だった。しかし10~14年では率比は0.97(SEは0.10)になり、タモキシフェンによる再発リスク低減効果は10年を超えると認められなくなることが示された。

 なお、ERが弱陽性(細胞質蛋白質1mg当たり10~19fmol)の患者においても同様に、タモキシフェンによる再発率低下が見られた。率比は0.67(SEは0.08)。

 ERの発現とプロゲステロン受容体PR)の発現には相関が見られた。ER陽性者のうち76%がPR陽性だったが、ER陰性者のうちPR陽性は21%にとどまった。また、PRの発現状況はタモキシフェンの利益の予測因子ではなかった。再発の率比は、ER陽性でPR陽性のグループでは0.63(SEは0.03)、ER陽性でPR陰性のグループでは0.60(0.05)、ER陰性でPR陽性のグループでは0.90(0.10)、ERもPRも陰性のグループでは1.03(0.06)。

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