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Lancet誌から
2型糖尿病への早期からの多因子強化介入で、通常治療に優る利益は得られず
ADDITION-Europe試験の結果

 2型糖尿病で微量アルブミン尿が認められる患者に対する強力な介入は、心血管イベントと死亡のリスクを半減させる。ならば、もっと早い段階で強力な介入を行えば、さらに大きな利益が得られるのではないか―。この仮説を検証するために行われた無作為化試験ADDITION-Europeで、スクリーニングで発見された2型糖尿病患者に対し多因子強化介入(複数の心血管危険因子が目標値に近付くよう、段階的に介入を強化)を行い、通常の糖尿病治療と比較した結果、心血管イベントの有意な低減効果は得られなかった。英Institute of Metabolic ScienceのSimon J Griffin氏らが、Lancet誌2011年7月9日号に報告した。

 この試験は、クラスターランダム化試験(個人単位ではなく集団単位で割り付けを行う無作為化試験)として行われた。デンマーク、オランダ、英国で一般開業医を登録。それぞれの医師が、かかりつけ患者のうち、糖尿病の既往がない40~69歳(オランダのみ50~69歳)の人々に対して、01年4月から06年12月まで、糖尿病スクリーニングを実施した。

 スクリーニングの方法は施設により異なる。医療歴または質問票に対する回答を利用して、糖尿病リスクスコアを計算し、ハイリスク患者を選んで血糖値測定や経口ブドウ糖負荷試験を行った施設や、対象年齢の患者全員に経口ブドウ糖負荷試験を受けるよう勧めた施設などがあった。2型糖尿病の診断にはWHO基準を用いた。

 一般開業医343人を、多因子強化介入を行う群(167人)または通常治療を行う群(176人)に割り付け、それぞれの医師は、2型糖尿病と診断したかかりつけ患者全員に、割り付けられた治療を実施した。

 多因子強化介入群には、複数の心血管危険因子について目標値を定め、測定値が目標値に近づくように段階的に介入の強度を高める方法が適用された。目標値は、HbA1cが7.0%未満、血圧は135/85mmHg未満、虚血性心疾患既往がない患者の総コレステロール値は5.0mmol/L(193mg/dL)未満、虚血性心疾患既往がある患者の総コレステロール値は4.5mmol/L(173.7mg/dL)未満とした。禁忌でない限り、アスピリン(75~80mg/日)を投与した。

 通常治療群については、それぞれの施設で適用できる標準的な治療を実施するよう指示した。

 主要エンドポイントは、5年後までの初回の心血管イベント(心血管死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、血行再建術施行、外傷性ではない四肢切断を合わせた複合イベント)に設定した。患者と評価者については盲検状態を維持し、分析はintention-to-treatで行った。

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