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Lancet誌から
早期1型糖尿病へのアバタセプト投与でβ細胞機能の低下速度が減少
北米で行われた二重盲検フェーズ2試験の結果

 診断後間もない1型糖尿病患者に、関節リウマチの治療に用いられているアバタセプトを投与すると、偽薬群に比べて膵β細胞の機能低下が約9.6カ月遅くなることが、米Joslin糖尿病センターのTihamer Orban氏が行った二重盲検の無作為化試験で明らかになった。論文は、Lancet誌電子版に2011年6月28日に掲載された。

 1型糖尿病には、膵臓のβ細胞を標的とするT細胞介在性の自己免疫反応が関与している。患者の多くは、診断時点では、Cペプチド値を指標とするβ細胞の機能は維持されており、インスリンの産生は続いている。しかしその後、急速にβ細胞の機能が低下する。

 自己免疫反応に中心的な役割を果たすT細胞の十分な活性化には、抗原特異的な刺激に加えてCD28を介した共刺激信号が必要だ。CTLA-4免疫グロブリン融合蛋白質でCD80とCD86に選択的に結合するアバタセプトは、それらとCD28の相互作用を阻害することにより共刺激を遮断し、T細胞の活性化を阻止することができる。そこで著者らは、診断から間もない、β細胞の機能が保たれている1型糖尿病患者にアバタセプトを投与すれば、β細胞の機能低下を遅らせることができるのではないかと考え、これを検証するため多施設並行群間フェーズ2試験を行った。

 米国とカナダの15施設で08年3月から09年2月まで患者登録を実施。1型糖尿病と診断されてから100日以内で、糖尿病関連の自己抗体が陽性、診断後21日目以降に行われた混合食負荷試験(MMTT)で測定されたCペプチド値が0.2nmol/L以上だった6~45歳の患者を登録し、2対1でアバタセプト(10mg/kg、上限は1000mg)または偽薬に割り付け、1日目、14日目、28日目に静注、以降は4週に1回の頻度で割り付けから700日後まで計27回投与した。

 また、全員にADA(米国糖尿病協会)が推奨する強力な血糖管理が適用された。

 主要アウトカム評価指標は、2年の時点で実施した4時間のMMTTの開始から2時間までの血清Cペプチド値曲線下面積(AUC)の幾何平均とし、データが利用できたすべての患者を対象にintention-to-treat分析した。

 112人の患者を登録、77人(平均年齢は13.9歳)をアバタセプト、35人(13.7歳)を偽薬に割り付けた。2年の時点でMMTTを完遂したのは103人(92%、73人がアバタセプト群で30人が偽薬群)だった。

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