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Lancet誌から
市中肺炎へのステロイド併用で入院期間が1日短縮

 市中肺炎で入院したがICUでの治療は必要ない患者に、抗菌薬と共にステロイドを投与すると、利益が見られるだろうか。この疑問に基づき二重盲検の無作為化試験CAPACITYを行ったオランダSt Antonius病院のSabine CA Meijvis氏らは、デキサメタゾンを4日間併用すると入院期間が1日短くなることを明らかにした。論文は、Lancet誌2011年6月11日号に掲載された。

 市中肺炎は早期に診断して、早い段階で適切な抗菌薬の投与を開始する必要がある。予防接種率が上昇し、抗菌薬レジメンの最適化が進んだ今も、市中肺炎患者の合併症罹患率や死亡率は高い。著者らは、抗菌薬に加えて、全身性の炎症を強力に抑えるステロイドを用いれば、全身性の炎症が沈静化されて肺炎の軽快が早まるのではないかと考え、抗菌薬に加えてデキサメタゾンを投与する臨床試験を行った。デキサメタゾンを選んだ理由は、炎症を抑える効果は強いが、鉱質コルチコイドとしての作用は他のステロイド薬に比べ少ないため、電解質バランスへの影響が少なく、1日1回の投与で効果が得られるからだ。

 オランダの2つの教育病院の救急部門で、市中肺炎の確定例と診断された18歳以上の患者を登録。無作為にデキサメタゾン5mg(1mL)または偽薬に割り付け、入院から12時間以内とその後3日間(1日1回)の計4回、静脈内投与した。ガイドラインに従って選択された抗菌薬の投与は、割り付け薬投与に先駆けて開始した。免疫不全状態の患者、ICU入院が必要な患者、ステロイドや免疫抑制剤の投与を受けている患者は除外した。

 主要アウトカム評価指標は、入院から退院または死亡までの入院日数とし、登録した患者全員を分析対象にした。入院が午前0時から正午までだった患者は入院した日も1日とカウントし、正午以降だった患者は0.5日とした。2次エンドポイントは死亡、ICU入院などに設定した。

 07年11月から10年9月までに304人の患者を登録し、151人(平均年齢64.5歳)をデキサメタゾンに、153人(62.8歳)を偽薬に割り付けた。全体の47%(143人)は、肺炎重症度指数(Pneumonia Severity Index、5段階分類で最重症がクラス5)でクラス4~5に分類された患者だった。

 両群に用いられた抗菌薬レジメンは同様だった。

 デキサメタゾン群の患者は、全員が入院から4時間以内に同薬の投与を受けていた。4日間の投与を完了したのは、デキサメタゾン群の87%と偽薬群の88%だった。

 入院期間の中央値は、デキサメタゾン群が6.5日(四分位範囲5.0~9.0日)、偽薬群が7.5日(5.0~11.5日)(フィッシャーの正確確率検定のP=0.0480)だった。カプランマイヤー法を用いて入院期間を比較しても差は有意だった(ログランク検定のP=0.0478)。ベースラインの患者特性で調整し、Cox比例ハザードモデルを用いて偽薬と比較したデキサメタゾンの退院のハザード比を求めたところ、1.46(1.13-1.89)となり、デキサメタゾンの方が早期に退院する可能性が有意に高いことが明らかになった。

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