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Lancet誌から
特発性肺線維症に対するピルフェニドンの利益とリスクのバランスは良好
2件のフェーズ3試験CAPACITYの結果

 日本では既に承認されている特発性肺線維症治療薬ピルフェニドンを欧米人などに投与した2件のフェーズ3試験の結果が、Lancet誌2011年5月21日号に掲載された。著者である米Duke大学のPaul W Noble氏らによると、ピルフェニドン投与群では、ベースラインから72週間の努力性肺活量(FVC)の予測値に対する割合(%FVC)の低下が偽薬群に比べ有意に小さく、服薬遵守率と忍容性は高かった。

 特発性肺線維症は、呼吸困難の進行と不可逆的な肺機能の低下を特徴とする、慢性かつ進行性の、生命を脅かす肺疾患だ。現在までに、その原因も、治癒させる方法もわかっていない。生存期間の中央値は2~5年と報告されている。

 ピルフェニドンは新たな抗炎症薬で、抗線維化作用も併せ持つ。日本で臨床試験が先行実施され、フェーズ3試験で得られた好結果を基に、08年に承認・発売されている。

 今回報告されたCAPACITYプログラムは、並行して行われた2件のフェーズ3試験(004試験と006試験)からなる。これらの二重盲検試験は、オーストラリア、欧州、北米の13カ国110施設で、以下の条件を満たす患者を登録した:40~80歳で、特発性肺線維症と診断されてから48カ月以内であり、過去1年間に重症度の軽減が見られず、%FVCか一酸化炭素肺拡散能力(DLco)の予測値に対する割合のいずれかが90%以下、かつ、%FVCが50%以上、DLcoが予測値の35%以上で、6分歩行試験(6MWT)で歩行距離が150m以上。

 004試験は435人の患者を登録、ピルフェニドン2403mg/日(174人)、ピルフェニドン1197mg/日(87人)、偽薬(174人)のいずれかに割り付けた。006試験は、344人を登録、ピルフェニドン2403mg/日(171人)または偽薬(173人)に割り付けた。患者は1日3回の服用を72週間以上継続した。

 2403mg/日という用量は、日本で行われた臨床試験に用いられた1800mg/日と体重1kg当たりの用量を同様にすべく、平均的な体重の欧米人をモデルに計算したものだ。

 どちらの試験も、特発性肺線維症に対する他の治療薬の投与は原則として許可しなかった。例外として、急性増悪時、急性の呼吸不全時、病気が進行した際には、アザチオプリン、シクロホスファミド、コルチコステロイド、アセチルシステインの短期投与を許可した。

 主要エンドポイントは、72週時の%FVCのベースラインからの変化とし、intention-to-treatで、ランクを用いた共分散分析(ANCOVA)を行った。

 2次エンドポイントは、無増悪生存期間(%FVCが10%以上低下、または予測値に対するDLcoの割合が15%以上低下、もしくは死亡するまでの期間)や6MWTなどに設定した。

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