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Lancet誌から
HCVに経口抗ウイルス薬2剤のレジメンが好結果
インターフェロンなしの治療の選択肢になるか

 実験的な経口抗ウイルス薬2剤を併用するレジメンで、インターフェロン(IFN)の投与なしに慢性C型肝炎ウイルス(HCV)感染者のウイルスの増殖を抑えられる可能性が示された。いずれも開発がフェーズ1段階にあった2剤、すなわち、HCVのRNAポリメラーゼNS5Bを阻害するヌクレオシドアナログ製剤のRG7128と、HCVのNS3/4Aプロテアーゼを阻害するダノプレビル(RG7227)を併用した臨床試験の結果。ニュージーランドAuckland City Hospital のEdward J Gane氏らが、Lancet誌2010年10月30日号に報告した。

 全世界のHCV感染者は1億7000万人に上るといわれている。現在の標準治療はpegIFNαの皮下注射とリバビリンの経口投与となっているが、この治療の有効性と忍容性は十分ではなく、IFNを含まない治療レジメンの開発に期待が集まっている。特に、HIV治療で成功を収めているような、作用点がそれぞれ異なる経口抗ウイルス薬を併用する方法が、ウイルスの抑制と耐性ウイルス出現の予防という観点から有望ではないかと考えられている。

 著者らは、新たな経口薬併用レジメンの安全性、忍容性と、抗ウイルス活性を評価する二重盲検の無作為化試験INFORM-1を、ニュージーランドとオーストラリアの6施設で、08年10月27日から09年11月30日まで実施した。

 18~65歳のHCVジェノタイプ1慢性感染者の中から、肝硬変ではなく、HCV RNA値が105IU/mL以上、肝機能と腎機能は正常で、併存疾患を持たない88人を登録した。これらの人々を、治療歴のない患者と標準治療を受けた経験のある患者に分け、さらに、治療歴のある患者を(1)治療に反応しなかった患者と、(2)部分的に反応した患者(ウイルス値は下がったが検出不能にはならなかった、または、いったんは検出不能になったが治療終了後にウイルス値が上昇した患者)に分けて割り付けを行った。

 患者をRG7128(500mgまたは1000mgを1日2回)とダノプレビル(100mgまたは200mgを8時間おき、もしくは600mgまたは900mgを1日2回)の併用、または偽薬に割り付け、最長13日間投与した。治療群には、2剤の用量を組み合わせた計7通りのレジメンを用意した。最初に、より少ない用量に割り付けられた患者群への投与を行い、安全性が確認された時点で、より多い用量に割り付けられた患者群への投与を開始した。割り付けから14日以降は全員に標準治療(pegIFN+リバビリン)を適用した。

 採血を3~7日おきに行い、HCV RNA値、HCVの薬剤感受性、2剤の血中濃度などを調べた。

 主要評価指標はHCV RNA値のベースラインから14日目までの変化とし、分析は、13日間の治療を終えた患者を対象に行った。

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