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Lancet誌から
症候性頸動脈狭窄症、70歳以上なら内膜切除術が安全
脳卒中リスクがステント留置術の2分の1

 症候性の頸動脈狭窄症患者に対して、頸動脈ステント留置術内膜切除術のいずれかを適用した場合、安全性に有意な差が出るのはどのような患者グループか。この疑問について複数の無作為化試験の患者データをメタ分析したスイスBasel大学病院のLeo H Bonati氏らは、70歳以上の患者においてはステント留置術の脳卒中リスクが内膜切除術の2倍になることを明らかにした。論文は、Lancet誌2010年9月25日号に報告された。

 これまで、複数の無作為化試験が、症候性の頸動脈狭窄症患者に頸動脈ステント留置術を適用した場合の周術期の脳卒中リスクは内膜切除術より高いことを示していた。ただし、個々の無作為化試験は、特定の患者グループを対象にステント留置術と内膜切除の安全性を比較するのに十分な統計学的パワーを持っていなかった。そこで著者らは、3件の無作為化試験(EVA-3S、SPACE、ICSS)に参加した個々の患者のデータを利用して、メタ分析を行った。

 3件の試験は、症候性で中等症から重症 (内径が50%未満に狭窄)の頸動脈狭窄症患者で、ステント留置、内膜切除のいずれも適応となる3433人を登録、1725人をステント留置術、1708人を内膜切除術に割り付けていた。

 今回の主要アウトカム評価指標は、割り付けから120日後までのあらゆる脳卒中または全死因死亡に設定、intention-to-treatで分析した。加えて、per-protocol分析も行った。こちらは、割り付けられた治療を実際に受けた患者(ステント留置群1679人、内膜切除群1645人)に治療後30日間に発生したあらゆる脳卒中または全死因死亡について分析した。

 割り付けから120日間のあらゆる脳卒中または全死因死亡は、ステント群で有意に多かった。153人(8.9%)と99人(5.8%)で、リスク比は1.53(95%信頼区間1.20-1.95、P=0.0006)。絶対リスク差は3.2(1.4-4.9)だった。

 両群間の差は主に脳卒中の発生率の差によるものだった。あらゆる脳卒中のリスク比は1.66(1.28-2.15)、全死因死亡のリスク比は1.44(0.84-2.47)。さらに脳卒中を重症度に基づいて分類すると、致死的脳卒中、中等度以上の障害を残した脳卒中のリスクには差はなく、障害なしから軽微な障害までの脳卒中のリスクがステント群で有意に高かった(リスク比1.99、1.34-2.95)。

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