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Lancet誌から
終末期の酸素吸入、室内大気でも改善度は同様

 終末期の呼吸困難患者において、酸素吸入室内大気の吸入のどちらがより症状軽減に役立つのだろうか。この疑問について無作為化試験を行った米Duke大学医学部のAmy P Abemethy氏らは、いずれを用いた場合でも呼吸困難の改善とQOL向上に対する効果に差はないことを明らかにした。論文は、Lancet誌2010年9月4日号に掲載された。

 心不全や肺癌、COPDの患者の多くが重症の呼吸困難に苦しむ。また、さまざまな慢性疾患の終末期にある患者で呼吸困難の重症化が見られる。動脈血酸素分圧(PaO2)が7.3kPa以下であれば、長期酸素療法が適用になるが、7.3kPa超であれば短期的な酸素吸入が行われる。だが、この介入については症状軽減に関する明確なエビデンスが提示されておらず、コストも高い。

 著者らは、そうした患者に対して、在宅で鼻カニューレを通じて酸素送った場合と、室内大気を送った場合の呼吸困難に対する影響を比較する二重盲検の無作為化試験を、06年4月から08年3月まで実施した。

 オーストラリア、米国、英国の9都市の医療機関の外来で、生命を脅かす疾患で、難治性の安静時呼吸困難があるが、PaO2は7.3kPaを超えている成人患者を登録。1対1で酸素または大気に割り付け、鼻カニューレを通して2L/分で供給した。治療は7日間行った(姑息的酸素療法の影響を評価するためには3~7日間継続することが必要であることが、予備的な研究で示されたため)。患者の自宅に医療用ガス濃縮器を設置(大気群では、大気をそのまま供給し、アラームも鳴らないよう機器を改造しておいた)し、これを1日に15時間以上使用するよう指導した。

 主要アウトカム評価指標は、1日2回、起床から30分以内と就寝前に記録した呼吸困難の程度(数値的評価スケール「NRS」を用いる。0~10の11段階からなり、スコア10が想像しうる最悪の呼吸困難を示す)に設定。2次評価指標はQOL(McGill QOL質問票を使用)などとした。

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