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Lancet誌から
腎移植後の長期転帰、心臓死ドナーと脳死ドナーは同等

 腎移植ドナー心臓死だったか脳死だったかによって移植腎の長期的な転帰に差があるのか。この疑問について、全英で行われた腎移植を分析した英Cambridge大学のDominic M Summers氏らは、初回腎移植患者における移植腎の生着率と機能は、心臓死ドナーからの移植であっても脳死ドナーであっても差がないことを明らかにした。論文は、Lancet誌電子版に2010年8月19日に掲載された。

 世界的に、腎臓移植を待つ患者の数に比べ、提供される臓器が不足している。英国ではこれまで、死体腎ドナーの多くが脳死者だったが、ここ10年間に脳死ドナーが減少(外傷による死者の減少や脳神経外科手術の技術の変化などが原因との報告がある)、心臓死ドナーからの移植が増えている。

 英国で心臓死ドナーからの腎移植が行われる場合、ドナーのほとんどは、マーストリヒト・カテゴリー3(入院中の患者が脳死を経ずに心臓死となった)に分類される患者だ。そうしたドナー由来の腎臓の状態は脳死者のものとは異なる可能性がある。

 著者らは2通りのドナーからの腎臓の移植を受けたレシピエントを追跡して移植腎の転帰を比較するとともに、心臓死ドナーからの腎移植の生着率と移植腎の機能に影響を及ぼす要因の同定を試みた。

 英国の移植登録から、2000年1月1日から07年12月31日までに脳死ドナーまたはマーストリヒト・カテゴリー3の心臓死ドナーに由来する腎臓の移植を受けた18歳以上の患者のデータを抽出。得られた情報を用いてKaplan-Meier法により移植腎の生着率を評価し、多変量解析を行って、移植腎の生着率やeGFRを指標とする腎機能に関係する要因を同定した。

 8年間に23施設で、マーストリヒト・カテゴリー3の心臓死ドナー由来の腎臓の移植が845件、脳死ドナー由来の移植が8289件行われていた。

 脳死ドナーに比べ、心臓死ドナー由来の移植の場合には、冷阻血時間は短く、移植前に低温灌流保存が行われることが多かった。温阻血時間にはばらつきが見られた。

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