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Lancet誌から
疼痛の強い脊椎圧迫骨折には椎体形成術が安全で有効
保存的治療と比較した無作為化試験の結果

 重症疼痛が続いている急性期の骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折の患者には、保存的治療よりも経皮的椎体形成術の方が有効で安全、かつ費用も容認範囲内であることが明らかになった。オランダSt Elisabeth病院のCaroline Klazen氏らが行ったオープンラベルの無作為化試験Vertos IIの結果で、論文は、Lancet誌電子版に2010年8月10日に掲載された。

 脊椎圧迫骨折は高齢者に広く見られるが、多くが無症候、または耐えられるレベルの痛みを症状とし、医療による介入を必要としない。しかし一部には、数週間から数カ月の間、重度の疼痛に苦しむ患者がいる。従来からの保存的治療に代わるものとして、近年、それらの人々に対する経皮的椎体形成術の適用が増えている。だが、椎体形成術の有効性、費用対効果、安全性を保存的治療と比較した質の高い研究はこれまで行われていなかった。

 そこで著者らは、急性期の患者に限定して、椎体形成術と保存的治療を比較する無作為化試験をオランダとベルギーの6カ所の病院の放射線科で行った。

 50歳以上で骨密度の低下があり(Tスコアが-1以下)、脊椎のX線画像により圧迫骨折と診断された患者のうち、椎体の高さが15%以上減少、Th5より下の骨折で、MRI画像により浮腫が検出され、疼痛継続は6週未満、疼痛レベルはVASスケール(痛みなしの0から最も強い痛みを示す10までのスコアで表す)で5以上、骨折部位に圧痛がある人々を選び、無作為に経皮的椎体形成術または保存的治療に割り付けた。

 両群共に、鎮痛薬は、患者一人一人の症状に合わせて選択した。全員にビスホスホネート、カルシウム、ビタミンDを処方した。

 主要アウトカム評価指標は、VASスコアにおける1カ月時と1年時の痛みの軽減とし、intention-to-treatで分析した。臨床的に意義のある痛みの軽減は、ベースラインと比較してスコアが3以上低下した場合とした。2次評価指標はコストに設定。

 2005年10月1日から2008年6月30日までに431人を登録。自然に痛みが減少した229人(53%)を除いて、202人を無作為に椎体形成術(101人、平均年齢75.2歳)または保存的治療(101人、75.4歳)に割り付けた。

 1年間の追跡を完了したのは163人(81%)、平均追跡期間は11.4カ月(中央値は12.0カ月)だった。

 ベースラインのVASスコアは椎体形成術群が7.8、保存的治療群が7.5だった。椎体形成術群に対する治療は、症状発現から平均5.6週後に行われていた。

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