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Lancet誌から
インクレチン関連薬2剤、HbA1c低下作用に優るのは?
直接比較でリラグルチドに優越性

 メトホルミン単剤では血糖管理が不十分な2型糖尿病患者にインクレチン関連薬を併用するなら、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬のリラグルチドとジペプチジルペプチダーゼ4-4(DPP-4)阻害薬のシタグリプチンのどちらがよいか。この疑問を検証するため両剤の直接比較を行った米Vermont大学医学部のRichard E Pratley氏らは、リラグルチドを選択した方がHbA1c値の低下は大きいことを明らかにした。論文は、Lancet誌2010年4月24日号に掲載された。

 GLP-1受容体作動薬はGLP-1活性を高める。一方、DPP-4阻害薬はGLP-1とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)の血中濃度を上昇させる。これら2種類の薬剤はいずれも、糖尿病患者の血糖管理を向上させることが示されているが、これらの有効性と安全性を直接比較した臨床試験はこれまでなかった。

 著者らは、メトホルミン単剤では血糖値が適切に管理できない2型糖尿病患者を対象に、メトホルミンとこれら2剤のいずれかを併用した場合の有効性と安全性を比較するオープンラベルの並行群間非劣性試験を実施した。

 欧州の11カ国と米国、カナダの158施設で、08年6月16日から09年6月11日まで患者登録を実施した。18~80歳の2型糖尿病患者で、メトホルミン1500mg/日を3カ月以上使用しても血糖管理が不十分(HbA1c値が7.5~10.0%)だった男女665人を登録。リラグルチド1.2mg/日(225人、平均年齢55.9歳)または1.8mg/日(221人、55.0歳)の皮下注射、もしくはシタグリプチン100mg/日の経口投与(219人、55.0歳)に割り付け、26週間治療を行った。

 主要エンドポイントは、ベースラインから26週までのHbA1c値の変化に設定した。

 ベースラインのHbA1c値の平均は8.5%だった。試験を完了したのは554人(83%)、割り付けられた治療を1回以上受けた患者は658人(99%)で、後者を分析対象とした。

 26週後のHbA1c値の平均をベースラインと比較すると、リラグルチド群の方がシタグリプチン群よりも大きく低下していた。

 ベースラインからの変化は、シタグリプチン群が-0.90%(95%信頼区間-1.03%から-0.77%、219人)、リラグルチド1.8mg群は-1.50%(-1.63%から-1.37%、218人)、リラグルチド1.2mg群では-1.24%(-1.37%から-1.11%、221人)。

 シタグリプチン群と比較した平均差は、1.8mg群が-0.60%(-0.77%から-0.43%)、p<0.001)、1.2mg群は-0.34%(-0.51%から-0.16%、p<0.0001)。あらかじめ設定されていた非劣性のマージンは95%信頼区間の上限が0.4%だったため、いずれの用量においても非劣性が証明された。さらに、どちらの用量でもシタグリプチン群との差は有意で、血糖管理におけるリラグルチドの優越性が示された。

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