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Lancet誌から
2型糖尿病患者の死亡率はHbA1c7.5%前後が最も低い
英国で行われた後ろ向きコホート研究の結果

 治療中の2型糖尿病患者の全死因死亡や大血管イベントのリスクは、HbA1c値が7.5%前後のグループで最も低い―。そんな後ろ向きコホート研究の結果を、英Cardiff大学のCraig J Currie氏らがLancet誌2010年2月6日号に報告した。

 2型糖尿病患者の血糖管理を向上させれば、様々な合併症のリスクが低下すると考えられている。しかし、ACCORD試験(関連記事1関連記事2)以来、厳格な血糖降下療法の安全性に対する懸念が高まり、2型患者が目標とすべき血糖値に関する議論が続いている。そこで著者らは、2型糖尿病患者のHbA1cと全死因死亡の関係を明らかにすべく、後ろ向きのコホート研究を行った。

 英国のプライマリケアの診療記録を集めた一般開業医研究データベース(GPRD)に1986年11月から2008年11月に登録された患者の中から、50歳以上の2型糖尿病患者を選出、2つのコホートを作成した。

 コホート1は、経口血糖降下薬の単剤投与を受けた後に、スルホニルウレアとメトホルミンの併用に切り替えられた患者2万7965人。コホート2は、経口糖尿病薬からインスリンの単剤投与またはインスリンを他の経口薬と併用するレジメンに変更された患者2万5人からなる。

 主要アウトカム評価指標は全死因死亡に設定。2次評価指標は、心血管イベント歴のない患者の初発大血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建術、頸動脈血行再建術、末梢動脈血行再建術、狭心症)に設定し、レジメン変更からこれらイベントが発生するまでのHbA1cの平均との関係を調べた。交絡因子として、年齢、性別、喫煙歴、コレステロール値、心血管危険因子、全般的健康状態で調整し、Cox比例ハザードモデルを用いてリスクを評価した。

 レジメンを変更する前のHbA1c値の平均は、コホート1が9.0%、コホート2が10.0%だった。

 追跡期間の中央値は、コホート1が3.9年(12万5968人-年)、コホート2は4.4年(10万4106人-年)。

 コホート1の全死因死亡は2035人、コホート2は2834人。コホート1と比較したコホート2の全死因死亡のハザード比は1.49(95%信頼区間1.39-1.59)で、インスリンを含むレジメンを適用されている患者の方が死亡リスクは高かった。

 1000人-年当たりの未調整死亡率は、コホート1が16.2、コホート2が27.2。

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