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Lancet誌から
高用量ロサルタンが心不全患者の入院リスクを低減
3846人を対象とした無作為化試験HEAALの結果

 心不全患者を対象に、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の用量と臨床転帰の関係を調べた国際的な無作為化試験で、低用量ロサルタンよりも高用量ロサルタンの方が、死亡または心不全による入院リスクを有意に低減することが示された。米Tufts大学医学部のMarvin A Konstram氏らが、Lancet誌2009年11月28日号に報告した。

 ARBは、米国でも心不全への適用は承認されていない。しかし実際は、慢性心不全患者の多くに、高血圧などの治療を目的としてARBが処方されている。これまで、ARBの用量と心不全の転帰の関係を調べた研究はなかったことから、著者らは、心不全患者にロサルタンを用いた場合の臨床転帰を、高用量(150mg/日)と低用量(50mg/日)の間で比較するHEAAL試験を実施した。

 この二重盲検の無作為化試験は、30カ国の255施設で行われた。01年11月から05年3月にかけて、以下の条件を満たす3846人の症候性心不全患者を登録した:18歳以上で、NYHA分類でII-IV、2週間以上薬物療法を受けていても左室駆出分画が40%以下であり、アンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬に対して不忍容。これらの患者を、β遮断薬使用の有無(72%が使用)などで患者を層別化してブロック無作為化を行い、ロサルタン150mg/日(1927人)または50mg/日(1919人)に割り付けた。

 150mg群については、50mgから開始し、当初3週間で150mgまで増量を図った。

 主要エンドポイントは、全死因死亡または心不全による入院(24時間以上または1泊以上)に設定し、intention-to-treatで分析した。データが不足していた12人(各群6人)は分析から除外した。

 ベースラインで150mg群の1483人(77%)と50mg群の1457人(76%)がARBを使用していた。また、多くが標準的な心不全治療(利尿薬、β遮断薬、抗アルドステロン薬など)を受けていた。

 割り付けから3週間後、150mg群の94%が割り付け通りの用量のロサルタンを使用していた。追跡終了までに実際に投与された用量の平均は150mg群が129mg、50mgが46mgだった。

 両群ともに追跡期間の中央値は4.7年だった。

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