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Lancet誌から
メキシコのインフル死亡、危険因子は入院遅延と併存疾患
リスク伝達と医療機関の体制整備により死亡率が低下

 メキシコにおける新型インフルエンザ2009 H1N1)による死亡の危険因子は、入院の遅れと併存疾患の存在であることが、メキシコ社会保障庁(IMSS)医療システム局のSantiago Echevarria-Zuno氏らによる分析で明らかになった。死亡率低下には、国民へのリスク伝達と医療機関の受け入れ体制の整備が関係していた。論文は、Lancet誌電子版に2009年11月12日に掲載された。

 著者らは、メキシコにおける2009 H1N1感染者と、これによる死亡者の数がどう変化したか、また、感染や入院・死亡のリスクを増加させる要因、低下させる要因は何かを明らかにするため、2009年7月末までに蓄積された症例情報を分析した。

 利用したのは、IMSSネットワークに参加している医療機関(プライマリケアが1099施設、病院が259施設で、対象患者は約4000万人)を受診したインフルエンザ様疾患の患者を登録している、インフルエンザサーベイランスシステム。同システムに09年4月28日から7月31日の間に登録された情報を、後ろ向きに分析した。

 インフルエンザ様疾患は、下記のように定義した。発熱、咳、頭痛があり、以下の症状を1つ以上示す患者:咽頭痛、鼻漏、関節痛、筋痛、衰弱、胸痛、腹痛、鼻閉、下痢(乳幼児の場合には機嫌が悪いことも症状に含めた)。65歳以上の高齢者については、発熱の存在を必須にしなかった。

 報告を求めた情報は、氏名、重症度、年齢、性別、職業、症状、慢性疾患の有無、適用された治療、08~09年の季節性インフルエンザワクチン接種の有無。

 7月31日までに、6万3479人がインフルエンザ様疾患に罹患していた。

 迅速検査は4万9196人に行われ、9475人(19%)が陽性判定を受けた。うち4510人にPCRが行われ、2430人が陽性だった。

 一方、迅速検査で陰性となった3万9721人においても、7130人にPCRが行われ、807人が陽性と判定された。

 また、迅速検査を受けなかった1万4283人中、5599人にPCR検査が行われており、3708人が陽性だった。

 H1N1確定例は計6945人(11%)。うち6407人(92%)が外来で治療を受け、475人(7%)が入院したが治癒し、63人(1%未満)が死亡した。

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