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Lancet誌から
肥満者へのリラグルチド投与で糖尿病前症の有病率が低下
欧州で行われた無作為化試験の結果

 2型糖尿病ではない肥満者に、生活改善に加えてグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アナログ製剤のリラグルチドを投与すると、体重減少に加えて糖尿病前症の有病率が顕著に低下することが、無作為化試験によって明らかになった。デンマークCopenhagen大学のArne Asrup氏らが、Lancet誌2009年11月7日号に報告した。

 先進国では肥満が深刻な問題になっており、忍容性が高く、安全で有効な治療薬の登場が待たれている。リラグルチドは2型糖尿病治療薬として開発され、欧州では既に承認を獲得、特定の2型患者に投与されている。日本と米国でも承認申請が提出されており、審査が進行中だ。

 これまでに行われた臨床試験で、糖尿病患者に対するリラグルチドの効果は血糖管理に留まらず、体重減少や血圧低下ももたらすことが明らかになっていた。

 そこで著者らは、肥満者を対象に、食事療法と運動に加えてリラグルチドを投与した場合の効果を偽薬また抗肥満薬のオルリスタットと比較する、20週間のオープンラベル試験を計画。欧州の19施設で2007年1月から9月まで実施した。

 18~65歳でBMIが30~40、糖尿病ではない564人(男性は135人)を登録、4通りの用量のリラグルチド(1.2mg、1.8mg、2.4mg、3.0mg、それぞれ90~95人)または偽薬(98人)を1日1回皮下に自己注射、もしくはオルリスタット120mgを1日3回服用(95人)に割り付けた。

 リラグルチドが糖尿病治療に用いられる場合、最大用量は1.8mg/日だが、今回はこれを超える用量についても評価した。

 偽薬を投与する2週間のランイン期間を経て、試験薬の投与を開始。リラグルチド群については、当初4週間で開始用量の0.6mgから目的とする用量まで増量し、それ以降は割り付けられた用量を使用することを原則とした。

 ランイン期間と試験期間は、全員に低脂肪食+摂取熱量制限の実践と身体活動量を増やすことを要求した。摂取熱量は基礎代謝率×1.3-500kcalに設定した。

 主要エンドポイントは、ベースラインからの体重の変化に設定。20週間に体重が5%超減少した患者の割合なども評価した。2次エンドポイントは、血圧、糖尿病前症の有病率などとし、intention-to-treatで分析した。

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