日経メディカルのロゴ画像

Lancet誌から
心不全患者の尿中アルブミン排泄量上昇は転帰不良に関係
CHARM試験登録患者2310人の分析結果

 心不全患者における尿中アルブミン/クレアチニン比UACR)の上昇と、心血管死亡または心不全による入院、全死因死亡の間に有意な関係があることが、英Glasgow大学のColette E Jackson氏らの研究で明らかになった。詳細は、Lancet誌2009年8月15日号に報告された。

 糖尿病患者、高血圧患者などにおいては、尿中のアルブミン量の上昇が、死亡、心血管イベント、有害な腎イベントを予測することから、アルブミン排泄量の監視が推奨されている。アルブミン排泄量の指標として広く用いられているのがUACRだ。

 排泄量の上昇は、広汎な血管の損傷や全身性の炎症、レニン・アンジオテンシン系の活性化などのマーカーになる。これらの異常の多くは心不全患者にも見られるが、心不全の患者のUACR上昇の程度や、予後予測におけるその意義は明らかではなかった。

 著者らは、CHARM試験の登録患者を対象にベースラインのUACR値を調べ、上昇が見られた患者の割合、それらの患者に共通する特徴と、その後の臨床転帰との関係を調べた。

 CHARM試験は、NYHAクラスII-IVの心不全患者で、血清クレアチニン値が265μmol/L未満、血清カリウムレベルが5.5mmol/L未満、アンジオテンシン受容体拮抗薬を使用していない患者7599人を登録していた。うち、UACRが測定されていた2310人を今回の分析対象にした。

 微量アルブミン尿は、UACRが男性で2.5~25.0mg/mmol、女性は3.5~25.0mg/mmolとし、マクロアルブミン尿は男女ともに25mg/mmol超と定義した。

 主要転帰は全死因死亡と、複合イベント(心血管死亡または心不全悪化による入院)に設定。心不全患者における微量アルブミン尿とマクロアルブミン尿の有病率、これら主要転帰の予測因子としてのUACRの価値について評価した。

 ベースラインでUACR正常は1349人(58%)。704人(30%)が微量アルブミン尿、257人(11%)はマクロアルブミン尿と判定された。 

 これら3群の登録者のベースラインの特性を比較すると、正常アルブミン尿群に比べUACR上昇が見られた患者の方が、高齢で、収縮期血圧が高く、腎機能が低く、高血圧歴、糖尿病歴、喫煙歴、冠疾患歴、心房細動歴を有する頻度が高かった。心不全による入院歴がある患者、NYHAクラスIIIまたはIVと判定された患者の割合も高かった。

 だが、UACR上昇は、糖尿病、高血圧、腎機能不全のない患者にも少なからず見られた。

この記事を読んでいる人におすすめ