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Lancet誌から
低用量アスピリン潰瘍の予防にファモチジンが有効
リスクが8割以上減、PPIの代用として使用可能

 世界で最も多く使用されている薬剤の一つが低用量アスピリンだ。英国Glasgow大学のAli S Taha氏らは、無作為化フェーズ3試験を行って、アスピリン使用に起因する上部消化管の粘膜病変の予防にH2ブロッカーのファモチジンが有効かつ安全であることを明らかにした。詳細は、Lancet誌2009年7月11日号に報告された。

 アスピリンによる胃腸潰瘍の予防と治療において、プロトンポンプ阻害薬(PPI)は有効だが、コストや安全性の面で最善とはいえない。さらに、アスピリンと併用されることが多いクロピドグレルとPPIを併用すると、全死因死亡などのリスクが上昇するとの報告がある(詳細はこちら)。

 そこで著者らは、ファモチジンがPPIの代替になると考え、これを検証するために、低用量アスピリンを使用している患者の消化性潰瘍びらん性食道炎の予防における、ファモチジンの有効性と安全性を調べる二重盲検フェーズ3 FAMOUS試験を行った。

 英国Glasgow大学付属Crosshouse病院の心血管・脳血管・糖尿病クリニックを受診した18歳以上の患者の中から、心血管系イベントの予防を目的として75~325mg/日の低用量アスピリンを服用している人々を選出。ほかの心臓保護薬(クロピドグレルやジピリダモールなど)の使用の有無は問わないとし、内視鏡検査により食道、胃、十二指腸に潰瘍またはびらん性食道炎がないことが確認された患者を登録した。これらの患者を、ファモチジン20mgを1日2回(204人、平均年齢63歳、男性が138人)または偽薬を1日2回(200人、63歳、男性が139人)に無作為に割り付けた。制酸薬は両群の患者に投与した。

 12週時に内視鏡検査を実施して粘膜病変の有無を評価した。

 主要エンドポイントは、12週の時点の胃潰瘍または十二指腸潰瘍(3mm以上の大きさ)の形成またはびらん性食道炎の発生に、2次エンドポイントは粘膜障害の程度を示すLanzaスコアなどに設定した。

 分析は、試験薬を1回以上使用した患者を対象にintention-to-treatで実施した。

 割り付けられたすべての患者が、分析の対象としての条件を満たした。12週時に内視鏡検査を受けなかった患者が82人(ファモチジン群33人、偽薬群49人)いたが、主要エンドポイントに関する分析ではこれらの患者の粘膜は正常と見なした。

 12週の時点で、胃または十二指腸の潰瘍もしくはびらん性食道炎が見つかった患者は、偽薬群66人(33.0%)、ファモチジン群12人(5.9%)で、オッズ比は0.13(95%信頼区間0.07-0.24、p<0.0001)。病変はファモチジン群で有意に少なかった。

 胃潰瘍は、偽薬群が30人(15.0%)、ファモチジン群は7人(3.4%)で、オッズ比0.20(95%信頼区間0.01-0.47、p=0.0002)。十二指腸潰瘍は、偽薬群17人(8.5%)、ファモチジン群1人(0.5%)でオッズ比0.05(0.09-0.40、p=0.0045)。びらん性食道炎は偽薬群38人(19.0%)、ファモチジン群9人(4.4%)で、オッズ比0.20(0.09-0.42、p<0.0001)となった。

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