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Lancet誌から
ロシグリタゾンに心血管リスクの有意な上昇は見られず
ただし心不全と骨折は増える

 ロシグリタゾンによる心血管リスク上昇が懸念されるようになって以来、終了が待たれていたRECORD試験の解析結果が、Lancet誌電子版に2009年6月5日に報告された。英Newcastle大学のPhilip D Home氏らは、メトホルミンまたはスルホニルウレアにロシグリタゾンを追加する治療と、メトホルミンとスルホニルウレアを併用する治療の心血管イベントリスクに差がないことを明らかにした。

 ロシグリタゾンは、インスリン感受性を向上させる薬剤として、メトホルミン、スルホニルウレアとともに2型糖尿病の治療に用いられているが、2007年に心血管リスク上昇が報告され、論争が起こった(2007.6.28「米国のロシグリタゾン騒動の行方は」参照)。その際、RECORD試験の中間解析結果が公表されたが安全性は明確にならず(「ロシグリタゾンの心血管リスク RECORD試験の中間解析では結論出ず」参照)、この試験の終了が待たれていた。

 RECORD(Rosiglitazone Evaluated for Cardiac Outcomes and Regulation of Glycaemia in Diabetes)試験は、前向きの多施設無作為化非劣性試験で、オープンラベルで行われた。目的は、メトホルミンまたはスルホニルウレアにロシグリタゾンを追加した場合の心血管アウトカムと安全性の評価にあった。

 欧州とオーストラリアの25カ国、364医療機関で、メトホルミンまたはスルホニルウレアの投与を受けている40~75歳の2型糖尿病患者4447人(HbA1cは7.0%超-9.0%、平均値は7.9%)を登録、ロシグリタゾンを追加(2220人)またはメトホルミンとスルホニルウレアの併用(2227人)に割り付けた。ロシグリタゾン群では、メトホルミンと併用する患者が1117人、スルホニルウレアとの併用が1103人となった。HbA1cの目標値は7.0%以下に設定した。

 主要エンドポイントは、心血管イベントによる初回入院または心血管死亡に設定。ロシグリタゾン群の非劣性を検証するために、非劣性のマージンをハザード比の95%信頼区間の上限が1.20未満とし、intention-to-treat分析を実施した。ベースラインの患者特性に差はなかった。追跡期間の平均は5.5年で、ロシグリタゾン群は1万2338人-年、併用群は1万2272人の追跡となった。

 ロシグリタゾン群の321人、併用群の323人に、主要エンドポイントに設定されたイベントが発生。ハザード比は0.99(0.85-1.16)で、非劣性が示された。

 ロシグリタゾンをメトホルミンと併用したグループについてハザード比を求めると0.98(0.79-1.21)、スルホニルウレアと併用したグループでは1.01(0.81-1.26)で、結果は同様だった。

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