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Lancet誌から
出生時に蘇生処置を受けた小児は低IQのリスクが高い
脳障害の症状がなくても有意なリスク上昇

 出生時の低酸素症は、軽度であっても認知機能不全リスクを高める可能性がある。英国Bristol大学のDavid E Odd氏らは、出生時に蘇生処置を受けた小児のIQを8歳時点で評価し、新生児期に脳障害の症状を示した患者と、無症候だった患者の両方に、低IQリスクの有意な上昇が見られることを明らかにした。詳細は、Lancet誌2009年5月9日号に報告された。

 これまで、臨床的に意義のある脳障害は、新生児期に低酸素症に起因する症状が見られた場合にのみ生じると考えられてきた。著者らは先に、出生時のアプガースコアが低かったが脳障害の症状は示さなかった男性の18歳時のIQが低いことを明らかにしている。しかし、アプガースコアは主観的で再現性が低いとの指摘があることから、今回は、出生後に蘇生処置を受けることとその後のIQの関係を評価した。

 Avon Longitudinal Study of Parents and Children(ALSPAC)の参加者(80%以上が1991年4月1日から92年12月31日までに英国ブリストルで生まれた人々)の中から、妊娠36週以降に生まれ、8歳まで生存していた小児を選出。このうち、出生時に蘇生処置を受けたが脳障害の症状(痙攣、手足の震え、甲高い泣き声、筋緊張低下または亢進、反射亢進など)はなく、それ以上の治療を必要としなかった小児(815人)と、蘇生後に脳障害症状を示して新生児治療を受けた小児(58人)、そして参照群(蘇生なし、脳症状なし、治療なし)の小児(1万609人)を選んだ。

 認知機能は、平均年齢8.6歳の時点で、WISC-III短縮版を用いて評価。言語性のIQ、動作性のIQ、それらを合わせた全検査のIQの3要素についてそれぞれスコアを算出した。低IQはスコア80未満と定義した。

 IQスコアが得られたのは5953人だった。試験を完了しなかった小児もいたため、全検査IQを計算できたのは5887人だった。

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