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Lancet誌から
非急性冠疾患患者への第1選択は、薬物療法か、PCIか?
死亡と心筋梗塞リスクに対する効果は両者に差なし

 急性ではない冠疾患患者に対する第1選択治療は、薬物療法か、経皮的冠インターベンションPCI)か。この問いを検証するため、薬物療法と3種類のPCI技術を直接または間接的に比較するメタ分析を行った米国Tufts Medical CenterのThomas A Trikalinos氏らは、死亡と心筋梗塞のリスク低減においては、4通りの治療の間に有意差がないことを明らかにした。詳細は、Lancet誌2009年3月14日号に報告された。

 過去20年間で、PCI技術は、バルーンカテーテルを用いた経皮的冠動脈形成術PTCA)から、ベアメタルステントBMS)、薬剤溶出ステントDES)へと進歩した。

 急性冠症候群とST上昇心筋梗塞のハイリスク患者を対象とするメタ分析では、PCIによるアウトカム向上が示されている。しかし、非急性の冠疾患患者に対する効果については議論がある。

 非急性患者の症状軽減においては、薬物療法よりPTCAが有効、標的血管または標的病変に対する血行再建術の必要性低減においては、PTCAよりBMS、BMSよりDESの方が有効とのメタ分析の報告を受けて、米国ではこの種の患者のほとんどに、ステント、特にDESを用いた治療が行われるようになっている。

 しかし、薬物療法とそれらのPCIの間で、ハードエンドポイントを比較したメタ分析は行われていなかった。そこで著者らは、非急性冠疾患患者を対象に、これらPCIと薬物療法と比較した無作為化試験を抽出し、メタ分析を行った。

 Medlineから4種類の介入法(PTCA、BMS、DES、薬物療法)のうちの2つ以上を比較した臨床試験を選出。症候性または無症候性の非急性冠疾患患者(安定狭心症または不安定狭心症の患者で、72時間以内に急性心筋梗塞を起こした症例を除く)を対象とし、アウトカムとして、死亡、致死的または非致死的心筋梗塞、標的血管または標的病変に対する血行再建術施行、冠動脈バイパス術(CABG)施行等について評価している研究を選んだ。

 メタ分析にはランダム効果モデルを用いた。最初に2種類の治療を直接比較した場合の結果をまとめた。次にネットワークメタ分析を行い、直接比較、間接比較の結果を統合した。

 条件を満たしたのは63件の研究で登録患者数は2万5388人だった。最も古い研究は1987年に患者登録を開始していた。追跡期間の中央値は12カ月。

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