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Lancet誌から
脳外傷後のてんかんリスクは10年以上続く
デンマークでの大規模コホート研究の結果

 外傷性脳損傷後のてんかんリスクは高い。だが、リスク上昇がどの程度持続するのか、リスクレベルに影響を与える要因は何かといった情報はほとんどない。デンマークAarhus大学病院のJakob Christensen氏らは、住民ベースの大規模コホート研究を行い、リスク上昇は外傷から10年以上経過しても有意であること、てんかんの家族歴はリスクをさらに高めることを示した。詳細はLancet誌電子版に2009年2月23日に報告された。

 著者らは、脳外傷後のてんかんリスクについて特に情報が不足している小児と若者を対象に、外傷発生から10年以上にわたるてんかんリスクを調べるコホート研究を行った。

 デンマーク国内で1977年から2002年に生まれた160万5216人を、デンマーク市民登録システムから選出。外傷性脳損傷とてんかんに関する情報は、1977年以降にデンマークの病院を退院したすべての患者の情報が登録されている国立病院登録から入手した。

 脳外傷の程度は米国リハビリテーション医学会議の定義に基づいて判定した。軽症は脳震盪程度、重症は脳の器質的損傷を意味する。脳の機能に影響を及ぼす頭蓋骨骨折もリスク評価の対象とした。

 初回外傷発生時の年齢、入院期間、現在までの経過年数を調べた。

 追跡は、出生時から、てんかん発生、死亡、出国、2002年12月31日のうち最も早く発生したイベントまで継続した。

 1952万7337人-年の追跡で、7万8572人が少なくとも1回、外傷性脳損傷を経験していた。

 試験期間終了までに追跡が中止された人は4万5677人(2.9%)。理由はデンマークから他国へ移住(3万362人)または死亡(1万5315人)だった。

 脳外傷がなかった人々と比較したてんかんの相対リスクを、年齢、性別、暦年で調整して求めた。

 脳外傷は、軽症であってもてんかんリスク上昇と関係していた。軽症の脳外傷後の調整相対リスクは2.22(95%信頼区間2.07-2.38)。重症の脳外傷後の相対リスクは7.40(6.16-8.89)だった。頭蓋骨骨折後は2.17(1.73-2.71)だった。

 外傷発生からの時間経過とてんかんリスクの変動の関係を調べた。軽症の脳外傷と重症の脳外傷の患者では、当初1年のリスクが最も高かった。軽症では、当初半年間の調整相対リスクは5.46(4.67-6.37)、半年後から1年後までが2.91(2.33-3.64)。重症の場合はそれぞれ21.26(15.25-29.62)と13.45(8.57-21.09)だった。

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