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Lancet誌から
第2世代の抗精神病薬は本当に第1世代に優るのか?
統合失調症患者を対象とする無作為化試験のメタ分析の結果

 第2世代抗精神病薬は高価であることから、その利益が本当に第1世代の薬剤に優るのかどうかについての議論が今も続いている。ドイツ・ミュンヘン工科大学のStefan Leucht氏らは、統合失調症患者を対象とする二重盲検の無作為化試験のメタ分析を実施。主な症状に対する効果において、第1世代製品と差がない第2世代製品が少なくないことを明らかにした。詳細は、Lancet誌2009年1月3日号に報告された。

 著者らは、コクランライブラリーの統合失調症グループの登録、FDA(米食品医薬品局)のウェブサイト、過去に行われた複数のレビュー、そしてMedlineに2006年10月までに登録された無作為化試験の論文の中から、条件を満たす研究を探した。

 統合失調症または関連疾患(統合失調感情障害、統合失調症型障害、妄想性障害。用いられた診断基準は問わない)を対象に、第2世代製品が最適用量で用いられていた、150件の二重盲検試験(239本の論文)を選出。登録患者は2万1533人となった。多くが短期的な試験で、試験期間は121件(81%)が12週以下、17件(11%)が6カ月以下、12件(8%)が6カ月超だった。登録患者の統合失調症歴の平均は11.8年、平均年齢は36.2歳だった。

 用いられていた第2世代製品は9剤(アミスルプリドアリピプラゾールクロザピンオランザピンクエチアピンリスペリドンセルチンドールジプラシドンゾテピン)だった。

 対照薬として、95件の研究がハロペリドールを用いていた。その他の対照薬は、クロルプロマジンが28件、ペルフェナジンが5件、フルフェナジンが4件、フルペンチキソールが3件、ペラジンが3件、チオリダジンが2件、レボメプロマジンが2件、など。

 著者らは、第1世代製品と第2世代製品について、全体的な有効性(主要アウトカム評価指標)と、陽性症状(幻覚、妄想、興奮など)、陰性症状(感覚鈍麻、意欲低下、情意減弱など)、うつ症状、再発、QOLに対する影響、さらに、錐体外路系有害事象、体重増加、過鎮静について比較した。

 全体的な有効性については、最初にPANSS(Positive and Negative Symptom Scale)トータルスコアのベースラインからの変化を評価し、利用可能であればBPRS(Brief Psychiatric Rating Scale)の変化、さらに試験終了時のこれらのスコアを用いて評価した。

 エフェクトサイズの尺度としては、平均値の差を標準偏差で割り、1SD当たりの平均値の差を求めた標準化平均差(Hedge's g) を用いた。

 陽性症状、陰性症状、うつ症状、QOLなどについても同様にエフェクトサイズを求めた。

 著者らは最初に、予備的な分析として、二重盲検試験と単盲検試験、オープンラベル試験の結果を比較した。後者の2つは第2世代製品が良好で安全と報告する傾向が強く、エフェクトサイズは大きかったため、バイアスの存在が懸念された。そこで今回は、対象を二重盲検試験に限定した。

 主要評価指標である全体的な有効性が、第1世代製品と有意差なし、という結果になった第2世代製品が5剤もあった(アリピプラゾール〔p=0.326〕、クエチアピン〔p=0.308〕、セルチンドール〔p=0.836〕、ジプラシドン〔p=0.483〕、ゾテピン〔p=0.212〕)。

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