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Lancet誌から
上部消化管出血で入院の必要性を判断する新手法
新規開発スコアリングシステム「GBS」がリスク評価に有効

 上部消化管出血患者に入院が指示されることは少なくない。だが、多くの場合、内視鏡的治療や手術、輸血は不要で、再出血や死亡のリスクも低い。

 そこで、英Glasgow Royal InfirmaryのAdrian J. Stanley氏らは、上部消化管出血の患者を入院治療の必要性などで層別化するためのGlasgow-Blatchford出血スコアGBS)を開発。このGBSを用いた場合、低リスク患者を同定する精度は、現在広く用いられているRockallスコアより高いことを示した。さらに、GBSを日常診療に適用すれば、安全に入院頻度を減らせることも明らかにした。詳細は、Lancet誌2009年1月3日号に報告された。  

 上部消化管出血のリスクの層別化に現在用いられているスコアリングシステムは、Rockallスコアも含めて、多くが内視鏡所見を組み込んでいる。ゆえに、患者は内視鏡検査が終わるまで病院に留め置かれることになる。

 内視鏡所見を含まない簡略化Rockallスコアも作製されているが、その有効性については確認が十分になされていない。

 GBSは、患者の病歴、臨床所見、臨床検査値を利用したシンプルな評価指標で、入院治療(輸血、内視鏡的治療、手術)の必要性または死亡を予測するために開発された。1748人の上部消化管出血患者のデータを基に構築されたが、地方の病院を受診したわずかな患者を対象に確認が行われた段階にとどまっていた。

 GBSが0であれば、外来での管理が可能な低リスク患者と判断される。具体的には、以下の条件を満たした患者がGBS 0となる。

 血中尿素が6.5mmol/L未満、ヘモグロビン値が男性130g/L以上、女性120g/L以上、収縮期血圧が110mmHg以上、脈拍が100/分未満、下血なし、失神なし、心不全歴または臨床的かつ心電図に示される心不全なし、肝疾患歴または臨床的あるいは検査値に示される肝疾患なし。

 著者らはまず、大規模な総合病院の患者を対象に、GBSの予測精度を評価した(第一段階)。次に、救急部門を受診した患者を対象に、GBSに基づく低リスク判定の影響を調べた(第二段階)。

 第一段階は英国の4病院で行われた。上部消化管出血で来院した患者を対象に、GBSと、内視鏡検査前の時点の入院時Rockallスコア、内視鏡検査所見を加えた完全Rockallスコアを計算した。

 676人(年齢の中央値は62歳)の患者が上部消化管出血で受診した。GBS 0は105人(16%)、内視鏡検査前に計算された入院時Rockallスコアが0だった患者は184人(28%)だった。

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