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Lancet誌から
テソフェンシンで肥満患者が10%前後の減量を達成
フェーズ2試験で既存薬を上回る減量効果

 BMI30~40の肥満患者を対象とするテソフェンシンのフェーズ2試験で、摂取カロリー制限とともにテソフェンシンを服用すると、既存の減量薬の2倍を越える減量が達成できることが示された。詳細は、デンマークCopenhagen大学のArne Astrup氏らがLancet誌2008年11月29日号に報告した。

 肥満患者の減量に最も顕著な効果を発揮するのは外科的なアプローチで、20~25%の体重減少が達成できる。薬物を用いない生活改善などの方法もある程度有効だが、長期的な成功率は低い。

 減量薬には長期的な利益が期待できるが、既存の薬剤には、摂取カロリー制限と生活改善の実施による減量を大きく上回る体重減少は期待できない。1年間の治療で既存の減量薬がもたらす体重減少は、オルリスタットが2.9kg、シブトラミンは4.2kg、リモナバンが4.7kgといったレベルだ。有害事象が少なく減量効果がより大きい薬剤を求める声は強い。

 テソフェンシンは、シナプス前のノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンの再吸収(不活性化)を阻害する。デンマークNeuroSearch社は当初、アルツハイマー病とパーキンソン病の治療薬としてテソフェンシンを開発してきた。だが、これら疾患の患者を対象とするフェーズ2では、対照群に有意に優る改善を示せず、開発は中止された。

 ところが、介入群に含まれていた肥満のアルツハイマー病またはパーキンソン病患者に体重減少が見られたことから、減量薬としての開発が始まった。これらの患者は、食事制限や生活改善を行わなかったにもかかわらず、14週間という短期間に4%の体重減少を達成していた。これは、テソフェンシンが、シブトラミン、リモナバンと同程度の減量効果を有することを示唆した。さらに、患者の血圧や気分には影響は見られなかった。

 そこで著者らは、テソフェンシンをより長期間投与して有効性と安全性を評価する多施設フェーズ2試験を実施した。この二重盲検の無作為化試験は、2006年9月1日から2007年8月8日まで、デンマーク国内の肥満対策センター5施設で行われた。

 18~65歳の男女肥満患者(BMIが30以上40以下、平均体重100kg超)を対象とするこの試験は、2週間のランイン期間を経て行われた。

 ランイン期間に患者たちは、1日の摂取熱量を300kcal減らすための指導を専門家から受けた。同時に、身体活動を1日に30~60分増やすよう指導された。また、当初4週間は週1回、その後は隔週で、栄養士がグループセッションを実施し、栄養学的知識や体重管理のための生活改善に関する情報を提供した。

 203人の肥満患者(女性が70%)を、摂取カロリー制限に加えてテソフェンシン0.25mg(52人)、テソフェンシン0.5mg(50人)、テソフェンシン1.0mg(49人)、偽薬(52人)に割り付け、1日1回、24週間投与した。

 治療期間終了から8週間は投薬なしに追跡した。

 主要アウトカム評価指標は、体重の変化率に設定。2次評価指標は、腹囲、ウエスト/ヒップ比、BMI、骨密度(二重エネルギーX線吸収測定法による)、矢状径、トリグリセリド、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、空腹時血糖、HbA1c、CRP、インスリン、アディポネクチン、身体活動量(Baecke質問票により評価)、満腹感と食欲(質問票を用いて評価)、気分の変化(POMS短縮版を用いて評価)、QOL(質問票を用いて評価)とした。

 分析はmodified intention to treat(割り付けられた患者のうち1回以上試験薬または偽薬を使用した人を対象とする)で行った。

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