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Lancet誌から
ロフェコキシブの心血管リスク上昇は中止後も持続
APPROVe試験の追跡結果

 COX-2阻害薬ロフェコキシブ販売中止のきっかけになったAPPEOVe試験の参加者を対象に、投与中止後の心血管リスクの変化を調べた米Dartmouth医科大学のJohn A Baron氏らは、リスクが約2倍に上昇した状態が1年間は続くことを示唆した。詳細は、Lancet誌2008年11月15日号に報告された。

 APPROVe(Adenomatous Polyp Prevention on Vioxx)は、COX-2阻害薬であるロフェコキシブが、他のNSAIDsのように消化管傷害を引き起こしたり、アスピリンのように出血リスク上昇をもたらすことなく、大腸腺腫に対する化学予防効果を発揮するのではないか、との期待を集めて行われた二重盲検の多施設無作為化試験だ。

 大腸腺腫の既往がある患者を対象に、3年間の予定でロフェコキシブ(25mg)または偽薬が投与されたが、心血管イベントリスクの上昇が明らかになり、予定より2カ月早い2004年9月に試験は中止された。ロフェコキシブは市場から姿を消し、数カ月後にはほかのCOX-2選択的阻害薬(セレコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ)にも同様の有害事象が認められると報告された。

 APPROVe試験は、組織学的に大腸腺腫と診断され12週以内に切除を受け、内視鏡検査でポリープの残存がないことが確認された40歳以上の患者2587人を世界の108医療機関で2000~2001年に登録した。

 当初、有害事象については、治療中と治療終了後14日間観察することになっていたが、これではロフェコキシブ使用に関わる現象の一部を見逃す危険性があるとして、最低でも治療終了後1年間は観察を続けるようプロトコルが変更された。追跡は、2005年10月31日または最後の調査のいずれか早い時点まで継続された。

 今回著者らは、治療中止後もリスク上昇があるか、特定のサブグループで心血管リスクが特に高いといった現象が見られるかどうかに焦点を当てて分析した。主要エンドポイントは、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管死亡、出血による死亡、原因不明の死亡を合わせた複合イベントに設定。分析はintention-to-treatで行い、Cox比例ハザード回帰分析によりハザード比を求めた。

 なお、試験中止後、投与された薬剤がロフェコキシブなのか偽薬なのかを知りたいと希望した一部の患者には事実が告げられたため、それらの患者については盲検が維持できなかった。

 試験中止時に治療中だった患者は、ロフェコキシブ群73人(割り付けられた患者の6%)、偽薬群は76人(同6%)だった。

 延長試験を完了した患者は、ロフェコキシブ群1074人(割り付けられた患者全体の83%)、偽薬群1092人(84%)。心血管イベントに関する追跡期間の中央値は両群共に1600日で、治療中止からの追跡日数の中央値はロフェコキシブ群550.0日、偽薬群537.5日だった。

 まず、当初のプロトコルに基づいて、治療中および治療中止後14日間に発生した複合イベントについて分析した。イベント発生はロフェコキシブ群35人、偽薬群18人で未調整ハザード比は2.12(1.20-3.74)とロフェコキシブ群で高かった。

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